宮城県の各選挙区の選挙戦について伝えるシリーズ「宮城の選択」。10月23日は宮城3区です。宮城3区は区割り変更で太白区秋保地区が宮城1区に戻り、4つの市と9つの町で構成されています。立候補したのは自民党の前職と、立憲民主党の新人。県内で唯一、与野党の一騎打ちの構図となっています。
西村明宏氏(自民・前)
「政治はなにをすべきか、国民の命と暮らしを守る、このことに尽きると思います。かつてあしたがあるさという歌がありました。あしたに希望があったこういった時代、こういった日を作っていくのが政治の役割だと思います」
自民党の前職・西村明宏氏です。福岡県出身の64歳で、大蔵大臣などを務めた三塚博氏の政策秘書を経て、2003年に初当選。以来、6期18年に渡り培った国とのパイプで地域密着型のインフラ整備などに奔走してきました。
一方で、今回の選挙戦はこれまでとは一線を画します。村田町で開かれた個人演説会で支持者に訴えかけました。
西村明宏氏(自民・前)
「はっきり言って、今の選挙戦、負けてます。なんとしても追いついて追い越さなきゃいけない私は今回、背水の陣で重複立候補していません。1票でも負けたらおしまいです」
旧安倍派の西村氏は、派閥の政治資金収支報告書の不記載問題によって党から戒告処分を受け、今回の選挙では比例での重複立候補が認められませんでした。
西村明宏氏(自民・前)
「検察から一度も呼び出してこないという、この事実は当初から嫌疑がなかった証しだというふうに考えておりますので、そのことはしっかりお伝えすると同時に、ある意味巻き込まれた人間として、逆にこういったことが二度と起きないように、まさに政治改革の先頭に立たなきゃいけない」
過去にない「短期決戦」の選挙戦。街頭演説や個人演説会では緊迫化が進む国際情勢の沈静化に加え、県南の防災対策や農業振興策の充実などを訴えます。
西村明宏氏(自民・前)
「政治家の務めというのはさまざまな危機対応をしっかりやることと同時に、外交や安全保障をしっかりやって、普通に暮らせるようにその生活を守っていくこと、そしてこの県南地域を発展させていくこと、これを総合的に1つずつやっていかなきゃいけない」
立憲民主党の新人・柳沢剛氏(61歳)は、今回が初めて挑む選挙戦です。
柳沢剛氏(立憲・新)
「サイズが?真ん中でいいですかね、この辺でいきます」
長年、アナウンサーとして勤務。定年退職後、県内選出の国会議員からの要請を受け、政治の世界に飛び込みました。
第一声では、自民党派閥の政治とカネをめぐる問題を徹底的に批判し、政権交代の必要性を強調しました。
柳沢剛氏(立憲・新)
「腐った中での首のすげ替えじゃなく、本当の民主主義のために、政権交代が当たり前の民主主義のために、そのためにこの立憲民主党の柳沢剛、全力で戦うつもりでおります。皆さんのお力をいただきたいと思います。よろしくお願いします」
朝の辻立ちは日課となり、有権者一人一人と会話をしながら支持を広げていく作戦です。公約に掲げる少子化対策や医療政策など、4市9町の地方創生に取り組み、政治の世界に一石を投じるとアピールしました。
柳沢剛氏(立憲・新)
「みなさんの声を力に変え、希望に変え、夢に変え、戦ってまいります。柳沢剛、柳沢剛どうもありがとうございます。ありがとうございます。お力いただきました~」
柳沢氏は、幅広い世代に訴えようとSNSの発信にも力を入れています。
柳沢剛氏(立憲・新)
「自撮りでこうやって撮ってるのが多いんですけど、最近はみんな撮ってくれるので持ち寄ってというのと、自分がその場で休憩中にあげるのとが混在している感じ。結構楽しみながらやってます」
地域や産業ひとつひとつの課題に耳を傾け、政策を訴えていきたいと話します。
柳沢剛氏(立憲・新)
「これはこういう政策、これはこういう政策って言えるようなものではない。1個1個聞いて、じゃあ全体としてどういうことを考えていかなきゃいけないというのはまだ一言で言えないので、勉強し続けて1つのこととして、政策として打ち出したいなというのをすごく感じている、そういう状況です」
閣僚経験もある自民党前職と立憲民主党の新人による与野党一騎打ちとなった宮城3区。衆議院議員選挙は10月27日に投開票されます。
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