第50回衆院選は27日、投開票される。1日に石破茂首相(自民党総裁)が就任した自公連立政権に対する審判となる。自民、公明党の与党と、立憲民主党など野党が争う構図で、自民派閥の裏金事件など「政治とカネ」問題への対応や物価高を踏まえた経済対策などを争点に舌戦が繰り広げられた。28日未明に大勢が判明する見通し。
465議席(小選挙区289、比例代表176)を争い、小選挙区1113人、比例代表231人(重複立候補を除く)の計1344人が立候補した。
首相は26日夜、東京・豊洲で締めくくりの街頭演説に臨んだ。裏金事件について改めて謝罪したうえで、「自民党は日本経済をもう一度強い経済に変えていく」と強調。「この国の独立を守るのは自公政権しかない。絶対に他の党に任せるわけにはいかない」と訴えた。
立憲の野田佳彦代表は東京都板橋区で最後の訴え。「裏金政治を続ける自民党政権を選ぶのか、裏金政治を根絶させる立憲の政権を選ぶのか、政権選択の選挙だ」と強調し、「裏金作り、裏金隠し解散をする。裏、裏、裏だらけの政治にピリオドを打とう」と訴えた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は26日、堺市で「議員の身を切る改革をやり、生み出された財源で大阪で教育を無償化した。そのモデルを国に持ち込んで実現させる」と主張した。
公明の石井啓一代表は北海道岩見沢市で「野党の政策は経済対策一つ取ってもバラバラ。野党に政権を委ねるわけにはいかない」と述べ、自公連立政権の継続を訴えた。
共産党の田村智子委員長は東京・西蒲田のJR蒲田駅前で裏金事件に触れ、「共産党が暴いて、自民党を窮地に陥らせてきた。金まみれの政治を大掃除していこう」と訴えた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は東京・丸の内のJR東京駅前で「手取りを増やす経済政策を何としてもやりたい。税金が皆さんのために使われるような仕組みに変えよう」と主張した。
れいわ新選組の山本太郎代表は東京・有楽町で「まずやるべきことは消費税廃止だ」と訴えた。社民党の福島瑞穂党首は北九州市で「憲法を守り、生かしていく」と演説。参政党の神谷宗幣代表は東京・銀座で「グローバリズムに立ち向かい、日本を守る」と述べた。
総務省によると、投票所は全国4万5429カ所。一部を除き27日午前7時から午後8時まで投票を受け付ける。2021年の前回衆院選の投票率は55・93%だった。【樋口淳也、源馬のぞみ、内田帆ノ佳】
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