自民党の公認が得られず、福島3区に無所属で出馬した前職の上杉謙太郎氏(49)=前回は比例東北で当選=は、落選が確実になった。党の派閥裏金事件で候補者調整が混乱し、出馬を決断したのは公示2日前だった。
前回選で旧3区から立候補した上杉氏は今回、区割り変更に伴って比例東北に転出する予定だったが、自身にも不記載・誤記載が判明。比例名簿登載が見送られ、公示4日前にいったん不出馬を決めた。
しかし、新3区で出馬予定だった前職の菅家一郎氏(69)も非公認となり、立候補を断念した。そのため、党福島県連が上杉氏に3区からの出馬を要請。本人も「短期間で環境が変わり過ぎた」と驚くほどだった。
急きょ作成した選挙ビラでは「不記載問題を真摯(しんし)に受け止め、政治への信頼回復に努めてまいります」とアピールした。県連は公認と同様の態勢で支援。前会津若松市長の菅家氏も同行し、組織をフル回転させて猛追した。だが、立憲前職の小熊慎司氏(56)ら対立陣営からは立候補までの変遷ぶりを批判され、無党派層などに支持が広がらなかった。【錦織祐一、黒川晋史】
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