衆院選大阪3区は、公明党前職で党副代表を務める佐藤茂樹氏(65)が参院からくら替え出馬した日本維新の会新人の東徹氏(58)に敗れ、落選が確実になった。公明が大阪の小選挙区で議席を失うのは、旧民主党が政権交代を果たした2009年以来となる。
大阪は、支持母体の創価学会が「常勝関西」と呼ばれる強固な地盤を築いてきた。中でも3区は、昨年亡くなった池田大作名誉会長が域内の大阪市西成区に滞在し、布教活動で関西進出の足がかりを築いた「聖地」とされる特別な場所だ。
1956年参院選では、池田氏は大阪で陣頭指揮を執り、学会推薦の候補を初めて国政に送り出した。
公明と維新は国政で与野党に分かれるが、関西では維新が公明の候補者がいる大阪と兵庫の計6選挙区で擁立を見送り、協調路線を取ってきた。
実現を目指した「大阪都構想」への協力を公明から引き出したかった維新と、関西での議席を守りたい公明の利害が一致していたからだ。
しかし、都構想を巡る2度の住民投票は否決され、維新が昨春の統一地方選で大阪府と大阪市の両議会で初めて過半数を獲得すると関係が一転。維新は公明現職のいる6選挙区への擁立を決定し、衆院選では初となる全面対決の構図だった。【戸田紗友莉、長沼辰哉】
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