与党が過半数割れに追い込まれた衆院選から一夜明けた28日、激戦のなかで初当選したり、返り咲いたりした人たちが街頭で新たな一歩を踏み出した。
東京7区で当選し、3年ぶりに衆院議員に返り咲いた立憲民主党の松尾明弘氏(49)はこの日の朝、雨の中で傘を差し、京王線初台駅(渋谷区)前に立った。マイクを握り「自民党政治を変えてほしいという多くの声を賜った。皆さんの声を形にしていきたい」と抱負を述べた。
弁護士の松尾氏は2017年に初めて衆院選に出馬した。このときは旧東京2区(港区東部など)から出たが、落選。20年に比例代表東京ブロックで繰り上げ当選したものの、21年衆院選に同じ選挙区から立って再び敗れた。22年参院選東京選挙区にも立候補したが、議席を得られなかった。
東京7区での立候補が決まったのは22年末。連日のように駅頭に立ち、管内の家々を熱心に回って支援を呼びかけてきた。
選挙戦では、参院議員からのくら替えを狙った自民党の丸川珠代氏(53)ら3人との争いになった。松尾氏は、丸川氏も関わった裏金事件について「裏金政治が日本経済の足を引っ張っている」などと一貫して批判。弁護士として不当解雇や男女間の賃金格差問題に取り組んできた実績も強調し、支持を広げた。開票の結果、次点の丸川氏に約3万票の差をつけて当選。4度目の国政挑戦にして、初めて選挙区を制した。
松尾氏は「選挙中に有権者の反応が変わった。序盤は裏金が強かったが、後半戦になると具体的な政策に対する意見が増えた。皆さんにちゃんと検討していただき、松尾を選んでいただいたと思う」と語った。【木原真希、川上晃弘】
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