米上下両院合同会議で演説する岸田文雄首相。後方右はジョンソン下院議長、同左はハリス副大統領=米ワシントンで2024年4月11日、ロイター

 上川陽子外相は26日の記者会見で、米連邦議会でウクライナやイスラエルなどへの軍事支援を盛り込んだ緊急予算が可決、成立したことについて、岸田文雄首相が4月に訪米した際、米上下両院合同会議で演説したことに「複数の(連邦)議員が言及した」と指摘した。

 上川氏は「岸田首相が演説で『アメリカのリーダーシップが必要不可欠である』と訴えたメッセージが米議会の議員にしっかりと伝わったのではないかと考えている」とも述べ、首相の「演説効果」をアピールした。

 首相は国賓待遇で訪米した11日に演説した。米国の孤立主義に警鐘を鳴らした上で米国のウクライナ支援の重要性を訴えた後に「日本はこれからもウクライナと共にある」と強調。大多数の議員が立ち上がり、拍手を送った。

 外務省によると、予算審議では上院共和党トップのマコネル院内総務が「日本の首相が言うように『米国のリーダーシップは不可欠』だと考えるか。それとも、グローバル・リーダーシップの責任も放棄するのだろうか」と言及。同党のグラスリー上院議員も「首相は非常に良き友人としてメッセージを伝えた。今は自信喪失の危機に陥っている時ではない」と述べたという。

 首相は25日、緊急予算が成立したことを受け、自身のX(ツイッター)に「米国がウクライナに強力な支援を供与することを心から歓迎します」と投稿していた。【小田中大】

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