自民党が大敗した衆院選の結果は、来年7月に控える東京都議選(定数127)の行方にも影響する可能性がある。自民都連は派閥裏金問題の逆風に危機感を募らせ、躍進した立憲民主党は都議会でも一気に党勢拡大を狙う。

◆7月の補選に続く負け越し

 27日夜、東京・永田町に設けられた自民都連の開票センターでは、幹部が沈痛な面持ちでテレビの開票速報を見守った。「本当に厳しい結果になった」。井上信治都連会長が声を落とした。  自民は全25選挙区だった2021年の前回選で、比例復活も含めて20議席を得た。今回は区割り変更で全30選挙区に増えたにもかかわらず、裏金問題で非公認となった前議員らを含めても18議席にとどまった。

東京都議会議事堂

 自民は7月の都議補選でも2勝6敗と負け越した。都連幹事長の菅野弘一都議は「今日からでも候補者選定や体制を練らないといけない」と危機感をにじませた。焦点は擁立者数。前回都議選には60人の公認候補を立てた。現在は都議会第1党(29議席)だが、ある都議は「国民の自民への不信は想像以上。候補者を絞った方がいいんじゃないか」と嘆いた。

◆「積極的に擁立」他党とのすみ分けも

 一方、衆院選で前回の12議席から20議席に増えた立民都連の長妻昭会長は「勢いを都議選に持続できればいい。擁立を積極的に進める必要がある」と強調。都議会の5番手(14議席)を脱し、躍進を目指す。他党との連携も視野に入れ「1人区や2人区はすみ分けの発想が必要では」とも述べた。

東京都議会の議員席

 衆院選で存在感が薄かったのが、小池百合子都知事が特別顧問を務める都議会第2党(27議席)の「都民ファーストの会」。会が国政進出を目指して設立した「ファーストの会」は独自候補の擁立を断念し、国民民主の支援に回った。都民ファの森村隆行代表は「国政での変化を注視し、影響を見極める」と話した。(原田遼、奥野斐) 

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