27日に投開票された衆院選の兵庫9区で立憲新顔の橋本慧悟氏(35)が比例復活で初当選を果たした。

 自民党派閥の裏金問題で党員資格停止処分を受けた無所属前職の西村康稔氏(62)が地盤とし、2003年の初当選以降、相手候補に比例復活を許したことがない選挙区。橋本氏は人口の多い明石市で5万5820票を獲得。西村氏の得票数を148票上回った。

多くの選挙区で自公前職が議席を守った県内でも立憲の風が吹いた。

 明石市の橋本氏の選挙事務所では28日午前1時過ぎ、比例当選確実の報が入ると、支持者らから大きな歓声が上がった。橋本氏は「私たち市民の勝利。国民のための政治をここ兵庫9区からやっていきたい」と決意を述べた。

 橋本氏は「政治とカネの問題がはびこっている」と訴え、対決姿勢を前面に打ち出した。公示日に駆けつけた立憲の野田佳彦代表も「裏金問題を許すのか、許さないのか問われている」と街頭で裏金問題への批判を強めた。

 橋本氏は報道陣に対して「日を重ねるごとに市民から応援の声が増えていった。政治改革をしていくという訴えに対して追い風の部分もあった」と振り返った。

 比例復活による勝利に「これだけ頂いたご期待、有権者の思いを無駄にせずに済み、正直ほっとした。これから仕事で返していかなければと身が引き締まった」と意欲を語った。

 橋本氏が立候補を表明したのは今年9月中旬で、選挙準備の期間は限られていた。

 陣営は「超短期決戦」と位置づけ、街頭で昨春の県議選で応援を受けた泉房穂・前明石市長の名前を挙げ、「一番の弟子です」と泉カラーを強調。「師匠である泉房穂さんの思いを勝手に背負って政治を変え、私たちの生活をもっとよくする」と支持を求めた。

 泉氏が支援した明石市議らでつくる会派「市民の会」メンバーも橋本氏に随行するなど全面的に支えた。

 泉氏の表立った選挙応援はなかったが、当選確実となった直後、泉氏から「おめでとうございます。これからがんばっていこう」と激励の言葉が電話で寄せられたという。(大久保直樹)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。