政府は29日の閣議で、2024年版の自殺対策白書を決定した。23年の小中高生の自殺者数は過去最多となった前年(514人)と同水準の513人と高止まりした。自殺者総数で見ると、男性が2年連続で増加し、女性は4年ぶりに減少した。
小中高生の自殺者数の内訳は、高校生347人、中学生153人、小学生13人だった。
自殺者数が減少傾向にある中、子どもの自殺は増加傾向で、白書では09~21年の小中高生の自殺について原因や動機を分析した。その結果、小学生は「家族からのしつけ・叱責」が特に多かった。中高生は、男子では学年が上がるにつれ「学業不振」や「進路の悩み」など学校問題の割合が高くなる傾向があった。女子は「学友との不和」など、人間関係に関連した理由が多かった。
地域別では、「北海道・東北」で小中高生の自殺者数が増加する時期が、その他の地域より約2週間早かった。夏休み明けが1~2週間早いことと関連があるとみられる。
23年の自殺者の総数は2万1837人(前年比44人減)。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率は17.6で、前年(17.5)とほぼ同じだった。男性は2年連続増の1万4862人(前年比116人増)となった一方、女性は6975人(同160人減)で4年ぶりに減少した。
原因・動機別では「健康問題」が最多で、「経済・生活問題」「家庭問題」と続いた。20年以降、多くの年代で自殺率が上がっており、10代は緩やかな上昇傾向にある。職業別では「無職」が最も多かったが、有職者も男女とも前年に比べて増加した。
政府は23年に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定。自殺の要因分析や多職種による自殺予防チーム設置などを進めている。
教室(写真はイメージ)
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