川崎キャスター:
首相指名選挙をめぐってかなり与野党の駆け引きが激しくなっていますが、哲夫さん、ズバリ誰が首相になるんでしょうか。
ジャーナリスト鈴木哲夫さん:
圧倒的に票を集めて、というよりは結果的に、今のところ石破さんという感じですかね。
川崎キャスター:
今後の指名選挙の流れを確認していきますが、まず11月11日に招集見込みの特別国会、ここで首相の指名選挙が行われます。過半数を超えた人がいればもう決まりなんですが、今の情勢だと過半数を取れる人はいなくて、議席数の多い自民党の石破さん、その次の立憲民主党の野田さんという2人の決戦投票になる見通しです。その流れでどうなるのかというのを各党の議席数も見ながら確認していきます。
鈴木哲夫さん:
1回目の投票では決まらない、過半数に行かない、2回目になるということなので、上位2人ということなので石破さんとおそらく野田さんの2人。
そうするといま自民党191議席、公明が24議席、これ以外に「一本釣り」とかもあるけれどそれで止まるかなと思ったら、ここに国民(民主党)が石破さんと政策協議とかやるから乗るんじゃないかとは言ってるけども、国民は(首相指名選挙では)「2回とも玉木(代表)と書きます」と。
維新もやっぱり自民・公明としては過半数取るために接触しているけども、今のところ維新も「2回目も含めて維新の代表(馬場さん)と書きます」と。
共産・れいわあたりはおそらく立憲に野党協力する形になる。
結局、石破さんと野田さん以外の名前を書いたら、これは「死に票」になるんですよ。最後は過半数ではなくてどっちが多いかで決まるので、維新や国民が石破さんか野田さんのどちらかを書かなければ 、結局石破さんということになるわけですよね。
だから逆に言えば「自分のところ(党)の(代表の)名前を書きます」ということは「石破さんと書く」のと同じ意味になるわけですよね。だから、おそらく石破さんが選ばれるんじゃないか。 というのが現状ですね。
■国民・玉木代表の動きは
川崎キャスター:
国民の玉木さんは公約で「政策本位であくまで政策実現するために動くんだ」と言っていますけど、それが結果的に自民党を利することになるわけで、このあたりの国民・玉木さんの動きはどう見ればいいんですか。
鈴木哲夫さん:
国民はこれから、自民とはちょっと距離を置きながらも政策ごとに一緒にやっていくわけです。だから国民が「これ(法案)を通してくれ」って言ったら、逆に(国民は)全体の予算案にも賛成するということになる。自分のところの政策を通すという点では意味はあるけど、トータルで見たら与党じゃないか、とも見えるわけですよね。
そういう意味で、今回自民じゃないところに投票した有権者からすると「えっ、自民党にくっついていっちゃうの?」というふうに見えちゃう可能性がある。ところが国民もしたたかで、来年は参議院選挙がありますから、こんなことやっていたら国民がなんか自民に寄っちゃったじゃないか、とマイナスになるので、また離れるみたいな、各党が寄ったり離れたりしながら来年の参議院選挙まで続いていく。
でも、これはいいことなのか。もっとはっきり分かれてきっちりと議論してほしいというのが僕は思うんですけどね。
川崎キャスター:
「政権の流動化」といって評価する声もありますし、その都度その都度で柔軟に決めればいいじゃないかっていう考え方に関してはいかがでしょうか。
鈴木哲夫さん:
そもそも小選挙区制にした時に「日本は二大政党でいつも政権交代可能な体制にしよう」と政治家の皆さんは言ったんじゃないですか。だから小選挙区になってるんですよ今。それをなし崩しで「その時その時、ケースバイケース」というんだったら、もう小選挙区やめて中選挙区に戻すとか、その辺のけじめもちゃんとつけてもらいたい。なんか場当たり的に進んでいくのは僕は良くないと思います。
川崎キャスター:
あと「政治とカネ」について、国民は公約で企業団体献金を禁止にしていなくて、どっちかというと自民寄りですよね。当然、立憲や共産は違うので、国民が自民に近づくんであれば「政治とカネ」については絶対うやむやにして欲しくないなと。
鈴木哲夫さん:
鋭いと思います。その辺は有権者がしっかり見ると思うんでしっぺ返しは全部、来年の参議院選挙で来るということになりますね。
川崎キャスター:
ということで、また来年夏の参院選に注目したいと思います。
(2024年10月31日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
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