ことしの「秋の叙勲」を受章するのは、
▽「旭日大綬章」が2人
▽「旭日重光章」と「瑞宝重光章」が合わせて41人
▽「旭日中綬章」と「瑞宝中綬章」が合わせて328人
▽「旭日小綬章」と「瑞宝小綬章」が合わせて810人など、
全体で3987人です。

このうち、
▽民間からの受章者は1866人で全体の47%
▽女性の受章者は439人で全体の11%となっています。

▼「旭日大綬章」は
◇元環境大臣の小沢鋭仁さん
◇連合の元会長の古賀伸明さんが受章します。

また
▼「旭日重光章」は
◇国際的に活躍するバレリーナで、日本のバレエを世界的水準にまで高めた森下洋子さんらが、
▼「瑞宝重光章」は
◇東京大学名誉教授で倫理学・旧約聖書学が専門の関根清三さんらが受章します。

▼「旭日中綬章」は
◇「ねじ式」や「無能の人」などの独創的な作品が国内外で評価されてきた漫画家のつげ義春さん
◇光と影を効果的に使った作風で知られる洋画家の池口史子さん
◇デザインや広告などの分野で活躍してきた「クリエイティブ・ディレクター」の小池一子さんらが受章します。

▼「旭日小綬章」は
◇シドニーオリンピックなどでソフトボール日本代表の監督を務めた宇津木妙子さんらが受章します。

このほか▼外国人叙勲では合わせて46の国と地域の87人が受章することになりました。

叙勲の親授式や伝達式などは今月6日から行われます。

「旭日大綬章」 元連合会長 古賀伸明さん

「旭日大綬章」を受章する古賀伸明さんは72歳。

福岡県出身で、1975年に当時の松下電器に入り、電機連合の委員長や、連合の事務局長を経て、リーマンショック後、雇用情勢が厳しさを増していた2009年に会長に就任し、3期6年にわたって務めました。

古賀さんは受章について「私個人がもらったものではなく、一緒に運動、活動をしてきた仲間や同僚たちの代表としてもらったと思っている」と述べました。

そして「失業が非常に多い、このことに対し、われわれとしてどのように対応していくのか。政労使で『若者雇用戦略』を合意したり、雇用保険の適用拡大や女性活躍に取り組んできたのが、ど真ん中として大きかった」と述べました。

また、在任中に連合が支援した民主党が政権を担ったことも大きな出来事だったと振り返りつつ、今後の政治について「一貫して言っているのは、政治にも競争原理が必要だ。これからの日本社会にとっての、まっとうな政策をあげて、切磋琢磨(せっさたくま)、議論することを求めたい」と述べました。

「旭日重光章」 バレリーナ 森下洋子さん

「旭日重光章」を受章するバレリーナの森下洋子さんは広島市出身の75歳。

3歳からバレエを始め、22歳のときに東京の「松山バレエ団」に入団しました。

1974年に世界で最も古い歴史をもつブルガリアのヴァルナ国際バレエコンクールで日本人として初めて金賞を受賞したほか、パリのオペラ座で「くるみ割り人形」に主演するなど世界各地で公演を行い、情熱を秘めたその踊りは“東洋の真珠”と称されました。

各国の国際バレエコンクールで審査員を務めるなど後進の指導に当たりながら、現在も「松山バレエ団」のプリマバレリーナとして舞台に立ち続けていて、長年にわたって、日本のバレエ界をけん引しています。

受章を受けて森下さんは「70年以上にわたって続けることができたのは、一瞬一瞬を大切に『あしたちゃんとレッスンができるように』と毎日を積み重ねてきた結果です。まわりの多くの人に恵まれ支えられたおかげで、みんなと今でも舞台に立てる自分は本当に幸せな人間だなとつくづく思っています」と振り返りました。

そのうえで「広島で生まれた人間として戦争や人の命、原爆に強い思いを持っていて、今も毎日の戦争のニュースに心を痛めています。バレエを通して夢、希望、ロマンそして勇気を届けていけるように、平和への祈りを込めて踊り続けたい」と話していました。

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