愛知県豊橋市長選と市議補選(被選挙数4)が3日、告示された。市長選にはいずれも無所属で、元市議会議長の近藤喜典氏(45)、現職の浅井由崇氏(62)、元市議の長坂尚登氏(41)、練り物製造業の蔵地雅彦氏(65)の4人が届け出た。市議補選には前職、元職、新顔の計10人が立候補した。両選挙ともに、10日に投開票される。

 近藤氏は西幸町の事務所で開いた出発式で、集まった支持者や近藤氏を支援する自民党の県議や市議らを前に、「わくわくするような大規模な成長・開発が豊橋には必要」と訴えた。豊橋駅周辺の再開発や道路インフラの整備、高齢者・子ども向けの公共交通の助成券発行などに意欲を示した。「みなさま方が『面』でつながって初めて、豊橋を中心として東三河を元気にできる」と語った。

 2期目をめざす浅井氏は向山町で開いた出発式で、子育てしやすい街として「日本一」を目標に掲げ、「応援できる環境をつくっていく」と訴えた。式には公明党市議団が列席。農業シリコンバレーの実現や道路・港湾などの社会基盤整備などにも意欲を示した。争点となっている豊橋公園での多目的屋内施設(新アリーナ)計画については「豊橋の新時代をつくるのか、(計画を)やめて、停滞の豊橋をつくるのか、みなさんに選択していただきたい」と述べた。

 長坂氏は大橋通1丁目の事務所前で、豊橋市を「楽しい子ども時代を過ごせる街、子どもたちに寄り添う街にしていきたい」と訴えた。新アリーナ計画について「浅井氏は市民との約束をたがえ、その声を尊重せずに計画を進めてきた」と述べ、「私が当選した暁には、計画の契約を速やかに解除する手続きに入る」とした。

 蔵地氏は花田町の豊橋駅東口で声を上げた。新アリーナ計画に反対する立場だとして、「住民の痛みを知らない市長で良いのかと考え、立候補を決めた」といい、駅近くの地下駐車場内にアリーナを整備する考えを披露。このほか、規格外の農産物を活用した給食費の無償化政策の実現などを訴えた。

 11月2日現在の選挙人名簿登録者数は29万3557人。(戸村登)

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