日本時間の11月5日夜から投票が始まるアメリカ大統領選挙。大接戦とされる選挙の行方は、為替相場にも影響を与えるとみられていて、福島県内の企業もその結果を注視している。

<輸出企業は円安が追い風に>
福島市の高橋義和さん。洋服のセレクトショップを営むかたわら、北米を中心に県産米の「天のつぶ」の輸出を手がけている。
LAB・高橋義和代表取締役:「今回メキシコの方に10月に輸出したコメと一緒のパックライスになってますね。あとこちらが精米ですね」

2021年に福島県産食品の輸入規制が撤廃されたアメリカ。
福島県によると、2023年度のコメの輸出量は前年度の約5.6倍に増えるなど、大きな市場となっている。

「いらっしゃいませー!福島県産の天のつぶいかがでしょうかー」
高橋さんも2024年3月にロサンゼルスの日系スーパーで販売会を成功させるなど販路開拓に力を入れてきた。2022年には27トン、2023年には60トンを輸出。2024年は円安を追い風に120トンの輸出を見込むなど着実に売上げを伸ばしている。

高橋さんは「大統領選近くなってくると、色々この為替相場に関してはすごい値動きが激しいので、コンテナ船を手配するタイミングだったりとか、そういうのを長期的と短期的(な視点)で色々検討しているところ段階でございます」と話す。

2025年1月にもアメリカへの輸出を計画している「天のつぶ」。為替相場が、輸出コストや現地での販売価格に直結するため、現地の取引先から情報を集めるなど動向を注視している。
高橋さんは「いま弊社が一番考えている(1ドル)155円のラインっていうのは、このラインが一番安定しているラインかなと思っていますので、円高に振れた時にどう対処するか、どういう風な形にするかっていうのは不安材料かなと思っております」と話した。

<円安が逆風に>
一方で、円安が逆風となっている業界も…。

福島テレビ・宮下真結子記者:「こちらのお店では、エチオピアやコロンビアなど、およそ10か国からコーヒー豆を仕入れています。しかし、急激に進む円安で、企業は負担を強いられています」

世界から厳選したコーヒー豆を取り扱い、県の内外に8店舗を構える富久栄珈琲。
富久栄珈琲の中島茂社長は「現地の農園の出し値が1.5倍とか、倍とかになって、それプラス円安の影響なので、こっち(日本)に届くとけっこう、かなり倍になるコーヒーとかもあります」と話す。さらに、価格高騰はカカオにも広がっていて、原料価格が3倍に上がったものもあるということだ。
中島さんは「いままで民主党政権でけっこう、ずっとあっち(米国)がインフレで」と話す。

そうした中、円安の影響を少しでも抑えるために地元企業とコラボした商品の輸出に向けて準備を開始。為替に左右されにくい環境づくりを進めている。
中島社長は「円安を利用してお客さんに輸出して買っていただいてっていうのをどんどんどんどん、これを機に力を入れてやっていけば(円高・円安)両方どっちにふれても、大丈夫な企業になっていくかなって思います」と話した。

横浜税関の資料によると、福島県の輸出入額の合計は、2022年に1兆2千億円を超えて過去最大となるなど、経済のグローバル化は進んでいる。
大統領選挙が私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすのか。その行方が注目される。

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