◆17日に県知事選とダブル投開票
立候補したのは、6選を目指す現職佐藤栄一さん(63)=自民県連、公明県本部推薦=と、公益財団法人理事長の荒木大樹さん(53)、市民団体「宇都宮市のLRTに反対し公共交通を考える会」代表の上田憲一さん(87)、元茨城県つくば市副市長の毛塚幹人さん(33)の新人3人。宇都宮駅東口停留場に入線するLRTのライトライン=2024年2月26日撮影
最大の争点となる次世代型路面電車(LRT)の宇都宮駅西側延伸計画について、佐藤さんが「延伸に伴い、再開発を進めて人口減社会でも支えやすい都市に変える」と第一声で述べたの対し、荒木さんはLRTの是非を住民投票で問うとした上で「バス高速輸送システム(BRT)による完全自動運転のまちを目指す」と演説で明言。上田さんは「LRTが路面を通ると、現在(片側)3車線の駅前大通りは1車線になり、渋滞は周辺の道路にも及ぶ」と訴えた。LRT延伸に賛成する毛塚さんは「今の市は、LRT開業後も人口減が続いている」と指摘し、高度救命救急センターの整備や移動販売車による買い物支援などを掲げた。 4人の立候補は2008年以来。投開票日は栃木県知事選と同じ17日。(武藤康弘、梅村武史、井上圭子)◆候補者の第一声(届け出順)
◇佐藤栄一さん(63)無所属・現<当選5回>
「人口減社会でも支えやすい都市に変える」
佐藤栄一さん
佐藤さんは午前10時半、宇都宮市陽西町の県護国神社駐車場で出陣式を行い、同日投開票の知事選を控える福田富一知事も応援に駆けつけた。 「(初当選から)20年間、皆さんと汗をかいてきた。さらに発展させることが私の責任」と出馬動機を語った。構想・計画段階から関わってきたLRTにも言及し、「JR宇都宮駅東口が全く別の街、まるで東京のようだといわれる。駅東の人口が8%増え、地価も上がり、資産価値が高まっている」と大きな経済効果を強調した。 「駅西側延伸に伴い、再開発を進めて人口減社会でも支えやすい都市に変える。次世代につなぐ真剣勝負の4年間」と訴え、選挙カーに乗り込んだ。◇荒木大樹さん(53) 無所属・新
「LRTの是非、住民投票で市民の意見を」
荒木大樹さん
荒木さんは午前11時半、宇都宮市西川田町の選挙事務所前での演説で「LRTの駅西側延伸問題は、市民が是非を決める。『市民がつくる』まちづくりを行いたい」と第一声を放った。 「上から目線でまちが決まっていく。そこにずっと疑問を思っていた。やはり市民の意見を一番反映させるのは住民投票」と、最優先とする公約を示した。LRTに代わる交通インフラとして、バス高速輸送システム(BRT)を提唱。「水素などクリーンエネルギーのバスで完全自動運転のまちを目指す。宇都宮環状線や宇都宮—日光間のBRTも考えている」とした。 LRT延伸中止によってできる市財源を教育無償化や少子化対策強化に充てる考えも示した。◇上田憲一さん(87) 無所属・新
「中心市街地がLRTによって破綻する」
上田憲一さん
上田さんは午前10時すぎ、宇都宮市の宇都宮二荒山神社前で第一声。LRT延伸計画中止を公約の大部分に費やし、「駅東部地区(開業)の余勢を駆って西へ延伸させたいのが現職。LRTが路面を通ると、現在(片側)3車線の駅前大通りは1車線になり、渋滞は周辺の道路にも及ぶ」と訴えた。LRT反対派の市議らも応援に駆けつけた。 「路線バスのまち」の理想を掲げ、出馬前、市民団体の長として市に延伸の必要性の根拠などを問う質問書を届けたが、納得できる回答を得られなかったことを明らかにしている。 「中心市街地がLRTによって破綻すると思わざるを得ない。やめさせるには、私に1票を」と有権者に語りかけた。◇毛塚幹人さん(33) 無所属・新
「今の宇都宮は魅力を発揮できていない」
毛塚幹人さん
毛塚さんは午前10時半、宇都宮駅西口で第一声。緑色のたすき姿で「宇都宮市で生まれ育ち、財務省に勤務、史上最年少でのつくば市副市長を務めた」と自己紹介し、「即戦力として貢献するため故郷に戻ってきた」と力を込めた。 市について「今の宇都宮はもったいない。魅力を最大限に発揮できていない。LRTが開業しても人口減少が続いている」と指摘し、LRTの駅西側延伸、移動販売車での買い物支援、高齢者へのタクシーチケット配布、病児保育や休日保育の充実、高度救命救急センターの整備などを掲げ「宇都宮を諦めないで」と訴えた。最後に義兄が登場し「完全無所属、一個人」としがらみの無さを強調。支援を呼びかけた。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。