予算委員長など“委員長の椅子”というカードを得た野党。その中で、立憲民主党は折角手にした2枚を与党に返してまで“法務委員長”のカードを獲得しました。
■「時がきた」野党にも“数の力”
この記事の写真論戦の主戦場であり“国会の花”とも言われる予算委員会の委員長には、立憲民主党の安住前国対委員長が就任。そして、選択的夫婦別姓の審議を行う、法務委員会の委員長ポストを立憲民主党が取りました。選択的夫婦別姓の実現に向けて主導権を握るのが狙いです。
西村智奈美法務委員長 「今まではどちらかというと自民党一強のペースで進んできたが、今後そういうわけにはいかない」選択的夫婦別姓をめぐっては、これまで野党は「民法改正案」をたびたび国会に提出してきましたが、2016年、2018年、2022年いずれも廃案となりました。背景にあったのは“自民一強”政治です。
法案を成立させるには、まず委員会で審議し、採決する必要がありますが、自民党が主導権を握る国会では、そもそも委員会での審議にすら入れず、法案が提出されたきり、棚ざらしにされてきました。国会用語でいう“つるし”の状態です。
今の国会では、この“つるし”を差配する議院運営委員会でも野党の理事が過半数を占めることになりました。つまり、野党が得た“数の力”により、“つるし”の状態を打開し、法案の審議が行われる可能性が出てきたのです。
審議が実現すれば、議論を通じて選択的夫婦別姓の論点や各党の立場を明らかにすることができます。
立憲民主党 辻元清美代表代行 「全部廃案にしてきたのは自民党。いよいよ時が来たというように思う。私たちがリーダーシップをとっていきたいが、いかがでしょうか」賛成する多くの野党や公明党も巻き込んで、自民党に迫る戦略です。
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■石破総理「様々な意見ある…」■石破総理「様々な意見ある…」
対する自民党。石破総理のスタンスは定まりません。総裁選では「個人的には“賛成”」としていました。
石破茂総理大臣 「(Q.選択的夫婦別姓を実現?)早い方がいい。私は個人的には賛成なんだけれども(旧姓の)通称は通称でしかないのであって、それは選択的ということだから、否定する理由はないと思っている」しかし、総理就任後には一転して慎重姿勢に…。
石破茂総理大臣 「国民の間に様々な意見があり、政府としては国民各層の意見や、国会における議論の動向等を踏まえ、さらなる検討をする必要がある」野党からは…。
立憲民主党 辻元清美代表代行 「総理は熟議をすると。野党の提案もよく聞いて、国会で強行していくようなこととか、一方的なことはしないという趣旨のことは言っているので、石破さんに期待していますよ、私は」 この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。