パートなどで働く人が、厚生年金に加入するためには、従業員51人以上の企業で、月額8万8000円以上の賃金を受け取っていることなどが要件になっています。

これについて厚生労働省は、短時間で働く人も加入して将来、受け取る年金を増やす必要があるとして要件の緩和を検討していて、15日の社会保障審議会に、企業規模の要件などを撤廃する方針を示し、了承されました。

一方、「年収106万円の壁」と呼ばれる、月額8万8000円の賃金要件については「最低賃金が上昇しているので、なくすべきだ」という意見が相次ぎましたが、撤廃する時期を慎重に考えるよう求める意見もあり、引き続き検討することになりました。

いわゆる「年収の壁」をめぐっては、所得税などの税負担に関する「103万円の壁」の見直しについて、来週から自民・公明両党と国民民主党との協議が本格的に始まることになっています。

与野党の間では、働く人の手取りが増える「103万円の壁」の見直しに比べ、「106万円の壁」の見直しは負担の増加につながるため、新たな軽減措置を検討すべきだという意見もあり、今後、社会保険料の負担のあり方についても議論が行われる見通しです。

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