年収が103万円を超えると所得税が課されるいわゆる「103万円の壁」の見直しについて、岩手県は、この「年収の壁」が国民民主党の主張に沿って引き上げられた場合、県と市町村の減収額が700億円に上るとの試算をまとめました。

国民民主党は所得税が発生する年収の線引き、いわゆる「103万円の壁」について、178万円に引き上げるよう政府に求めています。

引き上げによる減税の効果で働く人の手取りが増えることが期待される一方、地方自治体に入る個人住民税などは大幅な減収が想定されています。

県が試算をした結果、個人住民税のうち県民税が150億円、市町村民税が250億円、地方交付税は県と市町村合わせて300億円程度減少するということです。

これについて達増知事は11月18日の会見で次のように述べました。

達増知事
「国民民主党も地方の財源を減らせと主張しているわけではないと思う。各党の意見を出し合いながら経済財政対策を決めていけばいい」

その上で、社会保障や消費税のあり方などを含め半年程度、時間をかけ議論を深めるべきとの考えを示しました。

また、達増知事は18日、住民税が非課税のひとり親世帯など11万世帯あまりを対象に、2024年の冬も7000円を助成する「福祉灯油」を行うと発表しました。

その費用3億9000万円あまりを盛り込んだ補正予算案は、12月の県議会に提出されます。

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