兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事(47)は19日午後、県庁で就任後初めて記者会見に臨み、「謙虚な心を抱いて一からスタートだ。丁寧な対話を通じて仕事をしていきたい」と述べた。
斎藤氏は3月、自身のパワーハラスメントを含む複数の疑惑を文書で内部告発された。県議会の調査特別委員会(百条委)による真相究明が進められている中での船出になる。
斎藤氏は冒頭、文書告発問題について「大きなご心配、県政に対する不安を与えたことを改めておわびします」と陳謝。そのうえで「仕事は一人でできるものではなく、周りの皆さんのサポートがあってできるもの。県職員や県議会、県民への感謝の思いを抱きながらやっていく」と語った。
一連の問題を巡っては、県西播磨県民局長だった男性(60)が、斎藤氏を巡る疑惑を告発する文書を一部の報道機関や県議に匿名で配布した。
元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。県は5月、第三者による調査を経ず、「知事らを誹謗(ひぼう)中傷した」として元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
6月に設置された百条委は元局長の証人尋問を予定していたが、元局長は7月に死亡。自殺とみられる。
県議会は9月、斎藤氏が県政を混乱させたとして、全会一致で不信任決議を可決。斎藤氏は自動失職の道を選んだ。11月17日に投開票された出直し知事選でSNS(ネット交流サービス)を積極的に活用し、111万票余りを獲得して返り咲きを果たした。【大野航太郎、面川美栄】
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