敗戦の弁を述べる日本保守党の飯山陽氏(中央)と、代表の百田尚樹氏(右)、共同代表の河村たかし氏=28日午後、東京都江東区(岩崎叶汰撮影)

衆院東京15区補欠選挙で立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)の当選確実が報じられた28日夜、政治団体「日本保守党」新人の飯山陽氏(48)は選挙事務所で記者団の取材に応じ、「国政選挙で初めての挑戦だったが、思ったよりも多くの支持をいただいた。結果は私の力が及ばなかった。応援してくれた人、地元の人には心から感謝している」と頭を下げた。

飯山氏は、昨年10月に設立された日本保守党が初めて国政選挙に擁立した候補となる。同日午後8時、NHKが酒井氏の当選確実を報じると、百田尚樹代表や名古屋市長の河村たかし共同代表、有本香事務総長とともに、中継が流れるパソコン画面を無言でじっと見つめていた。

飯山氏は選挙戦を振り返り「われわれの陣営、私の演説は一番多くの有権者に聞いてもらった。間違いない」と手応えを述べつつ、敗因については「われわれには組織がない。その一言に限られる。組織もない、お金もない、知恵もない中でここまで戦えたのはわれわれを受け入れてくれた地元の人、有権者のおかげだ」と語った。

当選を確実にした立民の酒井氏については「酒井氏自身の力なのかは疑問に思う」と述べ、「立民と共産党の組織が酒井氏を支えた。それに尽きる。酒井氏は(告示された16日に開かれた候補者)討論会にも出なかった。どういう政策を持っているかは分からない」と語った。共産党は当初擁立していた候補を取り下げて以降、酒井氏支援の姿勢を鮮明にしていた。

自民党も東京15区補選で候補者擁立を見送っている。飯山氏は「『自分は自民党員だが今回はあなたに入れる』という声は直接多くの人からいただいた」と振り返った。

有本氏は記者団に「保守層や自民党の票の受け皿という扱いはやめてほしい。われわれはおこぼれを頂戴するために日本保守党を立ち上げたのではない。われわれは自分たちを保守だと自覚する人を掘り起こしている」と強調した。(奥原慎平)

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