自民党・公明党・国民民主党の3党の政調会長は20日、国会内で会談し、国民民主党が求めてきた「年収103万円の壁」を引き上げる方針などを盛り込んだ、総合経済対策の内容に合意した。
経済対策の中で、「いわゆる103万円の壁については令和7年度税制改正の中で議論し引き上げる」との文言が盛り込まれた。
また国民民主党が求めるガソリン減税については「ガソリン減税(いわゆる暫定税率の廃止を含む)については自動車関連・自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る。これらに伴う諸課題に関しては今後検討を進め、その解決策について結論を得る」との文言を盛り込んだ。
また経済対策には、住民税非課税の低所得世帯への給付金や、電気・ガス料金の負担軽減策の来年1~3月再実施なども盛り込まれている。
さらに3党の政調会長は、この経済対策の裏付けとなる今年度補正予算案の速やかな成立に向け協力しする合意文書を取り交わした。
自民党の小野寺政調会長は今回の協議の合意について「今後私どもとして、国民のための政策を進めるにあたってより丁寧に野党の皆さんと協議をする1つのひな形になるのではないか」と語った。
国民民主党の浜口政調会長は「103万円の壁について与党の方から引き上げると明言いただいたことは大変評価したい」と述べた。
これを受け103万円の壁見直しについては、12月の与党税制大綱のとりまとめに向けた税制改正協議の中で、基礎控除の引き上げ金額について与党と国民民主党の間で議論が行われる。
ただ、国民民主党が最低賃金の上昇率を元に103万円から178万円への引き上げを求めているのに対し、政府与党内などでは、消費者物価の上昇率やパートの賃金上昇率などに合わせて、120万円前後への引き上げにとどめる案なども浮上しているほか、178万円に引き上げた場合に生じる国と地方合わせて7~8兆円の税収減を懸念する声も地方自治体などから出ている。
3党の税制協議は20日にスタートし、国民民主党は最重点事項として103万円の壁対策として「所得税の基礎控除を103万円から178万円に引き上げ」「特定扶養控除の年収要件の引き上げ」を求めたが、議論は難航が予想される。
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