南米を歴訪し日本時間の20日朝、政府専用機で帰国の途に就いた石破首相。
今回、本格的な外交デビューを飾ったわけですが、その立ち居振る舞いがSNSで物議を醸しています。
20日は「石破首相 外交の場の態度が炎上気味」をテーマにお伝えします。
問題となっているのは、ペルーの首都リマで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)のシーンです。
石破首相は着席すると、腕を軽く組み、すぐにスマートフォンを触ります。
各国の首脳が笑顔でコミュニケーションを図る中、挨拶にやってきた外国の首脳に対して立ち上がることなく椅子に座ったまま握手を交わす場面も。
歓迎式典で、バイデン大統領は目の前で繰り広げられるダンスに驚きの表情を見せる一方、腕組みをしたままじっと見守る石破首相。
こうした行動がSNS上で話題となり、「日本の恥」というワードがトレンド入りする事態となってしまいました。
この石破首相の振る舞いは街の人にどう映ったのか聞いてきました。
20代:
たしかに「日本の恥」と言われるのもしょうがないのかな。自分だったらこの対応は取らない。同じ目線にたって握手をすると思う。
20代:
日本を背負って政治をやる最前線の方がそういった態度は、あまりよろしくないのでは。国民の皆さんに対しても良い印象は与えない。
なかなか厳しい意見がありましたが、中にはこんな意見も。
70代:
握手するのもこわばってた。緊張してたと思う。もっと応援すれば良いのにって思う、せっかく皆が選んだし。
60代:
きっと何か事情があったんだろうなと思う。たぶん気が回らなかった、石破さんの。これからじゃないでしょうか。
では他の首脳はどうだったのか、式典の映像を改めて見てみると、実は皆さん、石破首相と似たような態度だったんです。
中国の習近平国家主席は、香港の李家超行政長官と式典の最中にもかかわらず、しばらく話し込む様子も映っていました。
そして、オーストラリアのアルバニージー首相も、他の首脳陣が着席したあとに会場を姿を現した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と笑顔で握手をしますが、立ち上がってはいません。
では、なぜ石破首相のネガティブなところばかりが注目されてしまったのでしょうか。
SNSのリスクや炎上に詳しい、桜美林大学・西山守准教授に聞きました。
桜美林大学・西山守准教授:
石破首相自体の問題もあると思うが、(政治は)最近炎上しやすくなっている。(首相としての)成果がない中で、外交の場でこういう態度を取ったというところは、非常にいじられやすい状況。石破首相もその辺を意識して行動された方が良かったのではないか。
SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
一応、僕も海外メディアでチェックしてみましたけど、石破さんを批判しているような書き込みとかはあまり見つからなかったです。
その場でこういう態度をとっている方は他にもいらしたかもしれません。
ただ、立場が違うと注目度も違うため、リスクを考えて振る舞った方がいいですね。
そんな中、石破首相の災難はまだまだ続きます。
APECの最後に行われた各国首脳の記念撮影の様子を見ると、石破首相の姿がありません。
というのも、実はフジモリ元大統領のお墓で献花をしたあと渋滞に巻き込まれたため、写真撮影に間に合いませんでした。
ただ、この遅刻にもSNSでは批判の声が上がりました。
では、石破首相にアドバイスするとしたらどんなことがあるんでしょうか。
桜美林大学・西山守准教授:
国民あるいは他国の方々も含めて、アピールする能力はやっぱり必要。態度や言葉の端々とかでイメージを形成されるところが強いので、イメージ戦略はもう少ししっかり作っていった方がいい。
本格的な外交デビューの中で思いもよらない声を受けてしまいましたが、今回の教訓を今後に生かしてもらいたいところです。
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