福島第一原子力発電所2号機の使用済み燃料プールでは、プールとつながっているタンクの水位が8月上旬に急に減りはじめ、漏えいが疑われたことから、プールの冷却を停止。11月21日現在も冷却停止状態が続いているが、東京電力はこの原因について「ガルバニック腐食」などが原因と推定したと公表した。
「ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)」は、電気が流れやすい液体の中で2種類の金属が接触した場合に、片方の金属が腐食してしまうもの。
この水位低下をめぐっては、現場調査の結果、タンクにつながっている冷却用の水を流す配管が破損し、原子炉建屋の内部で水漏れを起こしていることが発覚していた。
現場の線量が高いことから、東京電力が復旧方法を検討していたが、漏えい箇所を含む配管の一部を切断し、漏えいをふさぐために閉止。切断された前後を新しい配管でバイパスする形でつなぎ、冷却水を流すラインを新しく構築する作業を行っている。早ければ1週間ほどで冷却を再開できるという。
東京電力はこの配管の破損原因について、震災後に注水した海水による導電率が上昇し、2種類の金属が継手されていることによる「ガルバニック腐食」で腐食が進んだためと推定している。
近くの別の場所でも、破損には至らないものの「違う種類の金属が継手されていることによる腐食」が見つかったとして、補修を急いでいる。
停止したときのプールの温度は34.5℃で、11月21日の午前11時時点で40.8℃と評価。作業期間中は冷却水を流すことができず、温度が65℃になると、周囲のコンクリートの健全性に問題が生じる可能性があるが、今後は外気温が低下することが予想されるため、最大でも46℃ほどまでの上昇と見ている。
一方、外気温の低下によりプール水面から発生した湯気が設備に悪影響を与えることがないよう早期の復旧を目指すという。
2号機の使用済み燃料プールには使用済み燃料587体と、未使用の燃料28体の、合わせて615体の燃料が保管されている。
外部への水の漏えいや、周辺のモニタリングポストの有意な変動はなく、東京電力は「周辺環境への影響は無い」としている。
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