自民党は21日、政治改革本部の全体会合を開き、派閥の政治資金パーティーをめぐる不記載事件を受けた政治資金規正法再改正に向けた基本方針案について、議論の末に了承した。基本方針案では、党から党幹部など個人に支給され使途公開が不要な「政策活動費」の、法律上の廃止が盛り込まれた。
ただ、外交上の秘密に関わるものや、有識者、プライバシー企業の営業秘密に関わる支出については、公表する前提で具体的名前を隠すなどの公表方法の工夫を行うこととしている。
また、政治資金に関して監査する第三者機関の設置、外国人・外国法人等による政治資金パーティーの対価支払い禁止、政治資金収支報告書の検索可能性を高めるデータベースの整備、政党所属の国会議員が起訴された場合における政党交付金の交付停止、自ら代表を務める政党選挙区支部に対する寄付への税制優遇の適用除外も盛り込まれた。
自民党は、今回の案をもとに野党とも協議し、11月から12月にかけて開く臨時国会で政治資金規正法の再改正を行う方針だ。
会合後、石破首相は記者団に対し「今日取りまとめた方向について、各党に呼びかける形でこれから議論を深めていっていただければと思う。私自身、年内に決着をみるべきものはみるべきだと考えているので、それぞれの党において精力的な議論を期待したい」と述べた。
政策活動費をめぐっては、政治家個人に支出されることから法律上詳しい使途報告の義務がなく、これまで自民党幹事長に年間10億円程度の支出があったほか、野党の一部も政策活動費を支出していた。また自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、収入を収支報告書に記載しなかった理由として、当事者の議員側から「収支報告の必要がない政策活動費だと説明を受けた」といった釈明があったため、改革の必要が指摘されていた。
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