「年収103万円の壁」の引き上げをめぐり、国民民主党の税制調査会は22日、党所属議員向けの勉強会を開き、地方税減収に対する過去の対応について、関係者からヒアリングを行った。
「103万円の壁」に関して政府は、経済対策の中に「来年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明記したが、これに関して、勉強会の冒頭、古川元久税調会長は、「30年ぶりに壁が動くという大きな一歩だ」と評価した。
その上で、「我が党と与党の自民党、公明党が一緒になって山を登ることだけ合意した。まだ登山口だ。3党が一緒に上がるのか、上がっていけないとなるのか、まさにこれからだ」との認識を示した。
一方で地方自治体からは、「103万円の壁」の引き上げが実現すれば地方税が減収となるため、公共サービスなどへの影響を懸念する声が上がっている。
これについて古川氏は、「ゴミ収集ができなくなるとか大変なことが起きるということを言っているが、起きないように国が責任を持つという仕組みになっている」と指摘。「国と地方で税収は配分が固まっているわけではなく、政治の判断で変えていくこともできる」などと説明した。
勉強会では、参院の調査室の関係者から地方税が減収となった過去の事例への対応についてヒアリングを行い、今年6月に定額減税が行われた際には、地方税収が9200億円程度減収になったものの、国が地方特例交付金を出して穴埋めした例など、国が地方の税収減を補填したケースが紹介された。
この後、浜口誠政調会長は記者団の取材に応じ、「国の政策で地方の税収に影響が出ないようにこれまで対策をしている」と強調。103万円の壁の引き上げについて、「国の政策としてやっていくわけだから、しっかり過去の経緯も踏まえて国がやるべきことをやっていただきたい」と求めた。
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