今年に入り１４件の運行トラブルが発生している熊本市電、経営状況の改善に向けた取り組みにも暗い影を落としています。
熊本市の大西市長は来年４月からとしていた市電の『上下分離方式』の導入について、「安全管理の再構築を図る必要があり、１年近くは延期せざる得ない」と述べ、２２日延期を発表しました。
【大西 一史 熊本市長】
「来年４月に予定していた上下分離の導入を延期せざるを得ない。公共交通の使命である安全を確保するために、やむを得ない」
２２日の会見で上下分離方式導入の延期を発表した大西市長。
熊本市交通局は、来年４月から市が出資した公社が『上』の部分で運行業務などを担い、市が『下』の部分で車両購入などを行う上下分離方式を導入する計画を示していました。
しかし、国の認定を得るための申請に向けた協議をする中で相次いで市電の運行トラブルが発生。
大西市長は、まずは安全管理の再構築を図る必要があると判断しました。
【大西 市長】
「１年近くは上下分離は延期せざるを得ないと見込んでいる。外部検証委員会の最終報告もこれからですし九州運輸局の改善命令への対応も途中ですのでこういうものを確実にしてそういったものも踏まえて（国の認定に必要な）高度化計画をさらに良くしていく」
一方、大西市長は現在、非正規雇用としている乗務員を上下分離後に正規職員化し処遇を改善する、としていたことについては「上下分離に先行して進めたい」と述べました。
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