兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した文書について調べている県議会調査特別委員会(百条委員会)は25日、県幹部ら3人を証人尋問した。斎藤氏の尋問も行う予定だったが、斎藤氏は東京で開かれた全国知事会議に出席するため欠席した。百条委は、斎藤氏の尋問を年内にも実施するよう日程を調整する方針だ。

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 尋問は2人が非公開で、稲木宏光理事への尋問は公開で行われた。公益通報者保護や、昨秋のプロ野球優勝パレードの寄付金集めをめぐって県が金融機関への補助金を増やして協賛金として還流させたとされる疑惑について質疑した。

 今夏まで財務部長を務めた稲木氏は、金融機関への補助金の予算が当初の1億円から知事査定を経て4億円に増えた経緯について、「額が動くということ自体は、議論の中ではよくあること」と証言した。斎藤氏らはこれまでの会見で、「キックバックはなかった」と疑惑を否定している。

 百条委の奥谷謙一委員長らは終了後に記者会見し、年内の予定だった報告書のとりまとめが困難になったと話した。パワハラなど告発文書に書かれた七つの疑惑に加えて公益通報者保護も調査項目にしたことや、知事選があったことなどが理由という。奥谷委員長は「真偽が明らかになるように、斎藤氏の証人尋問を進めたい」と話した。(島脇健史、大下美倫)

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