名古屋市民オンブズマン（代表・新海聡弁護士）は2日、自民党愛知県連と支部との政治資金のやりとりをめぐり、県連側に5年間で総額約9千万円の収支報告書への不記載が見つかったと明らかにした。新海氏は会見で「裏金を作りやすいルール違反が行われていた」と批判した。
同オンブズマンは、自民県連と県内の約170支部の2018～22年の政治資金収支報告書を調査。支部は「県連からの収入」と計上していたが、県連側に記載がないケースが計約7773万円あった。支部の「県連への支出」をめぐっても計約1195万円が不記載だったという。
この日の会見で、新海氏は「1年や2年なら単なるミスと言えるが、（県連の）代表や会計責任者が代わっても続いている」と指摘。当時の県連会長と会計責任者の計4人を政治資金規正法違反（不記載・虚偽記載）容疑で名古屋地検に告発したと明かした。
県連幹事長の須崎幹県議は、朝日新聞の取材に「現時点ではコメントできない」と述べるにとどめた。新海氏は「現行の制度では、我々はこれ以上調べられない。厳しくチェックできる政治改革が必要だ」と訴えた。（松島研人）
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