自民党の離党勧告処分を不服として、党に再審査を請求したことを表明する塩谷立・元文部科学相(右)=衆院第2議員会館で2024年4月12日午前11時4分、平田明浩撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、塩谷立・元文部科学相は12日午前、国会内で記者団に対し、離党勧告処分を不服として岸田文雄総裁(首相)宛てに再審査を請求したと明らかにした。処分を受けた議員ら39人のうち、再審査請求は初めて。

 塩谷氏は、自身の処分について「真相究明されない中で、こういった判断をされることが問題だ」と述べ、不満を漏らした。その上で事件の解明に向け、党の政治倫理審査会や国会の第三者機関による調査が必要だとの考えを示した。

 塩谷氏が対外的トップ「座長」を務めた安倍派だけでなく、岸田派でも元会計責任者が立件されている。首相の処分が見送られたことについては「党全体の問題として、総裁の責任も問われるべきだ」と改めて主張した。

 一方、再審査請求が認められなかった場合は離党届の提出を検討する考えを示した。党規律規約によると、党総務会で「相当の理由がある」と認められた場合は再審査が行われる。再審査が認められず離党もしない場合は「除名」となる。

 党紀委員会は4日、塩谷氏に党の処分で2番目に重い離党勧告を科すと決め、離党届を13日までに提出するよう求める決定通知を出していた。

 塩谷氏は党紀委の審査に先立ち、「まるでスケープゴート(生けにえ)」だとする弁明書を提出。さらに、5日の記者会見で「事実誤認の中で処分がなされたことは甚だ心外だ」などと述べ、再審査請求を検討する考えを表明していた。

 塩谷氏と同じく離党勧告処分を受けた世耕弘成・前党参院幹事長は4日に離党した。【遠藤修平】

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