憲法記念日の3日、与野党はNHK番組で討論した。自民党憲法改正実現本部の加藤勝信事務総長は「大型連休明けに具体的な改憲原案の作成に入り、ベースにして議論を深めたい」と提唱した。
立憲民主党の逢坂誠二憲法調査会長は岸田文雄首相が9月までの自民党総裁の任期中の改正を掲げていることを踏まえ「期限を区切る首相の誘導に乗らず、冷静に議論したい」と反論した。
加藤氏は災害や新型コロナウイルス禍に触れ「緊急事態への対応は喫緊の課題だ」と述べた。国政選挙が困難な場合の国会機能維持が中心テーマになると説明した。
逢坂氏は「あまりにも急ぎ過ぎではないか」と批判し、現行憲法が規定する参院の「緊急集会」の機能強化の議論を優先すべきだと主張した。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は「首相の公約のためには遅くとも7月末までの国会発議が必要だ」と語り、原案を作成する起草委員会の早期発足を訴えた。
公明党の北側一雄副代表は緊急時の国会機能維持の議論は相当煮詰まっているとして「たたき台を作り、緻密な議論をする方が生産的だ」と発言した。
共産党の山添拓政策委員長は首相の姿勢に関し「改憲をアピールして求心力を確保したいとの意図が見え隠れする。政権延命のための政治利用だ」と非難した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「緊急時の国会機能維持は急いで改憲すべき項目の一つだ」と強調した。
れいわ新選組の大石晃子共同代表は現行憲法を守るよう言明した。教育無償化を実現する会の前原誠司代表は「本丸は9条だ」と提起し、社民党の福島瑞穂党首は「憲法改悪させない」と言及した。参政党の神谷宗幣代表は早期改憲を求めた。〔共同〕
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