政治資金規正法改正などを議論する衆院政治改革特別委員会の初会合=国会内で26日午後1時53分、平田明浩撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、政治資金規正法の改正に向けた議論が大型連休明けに本格化する。衆院3補欠選挙では改革に後ろ向きな自民の姿勢が問われただけに、「自民全敗」となった補選の結果が法改正の議論に影響するのは避けられない。

 自民、公明の両党は現在、与党案の取りまとめに向けて協議中で、連休明けの早い時期にたたき台を示す方針だ。また、10日には参院の政治改革特別委員会が初開催され、衆院に続いて与野党の審議が始まる。

 これまでの自公協議では、政治資金収支報告書の不記載などがあった場合、会計責任者に比べて処罰されにくかった議員本人の罰則強化や、支出だけでなく収入も外部監査の対象とすることなどで一致した。

 さらに、自民はこれまで明示してこなかった政治資金パーティーの見直しについても、公明が主張するパーティー券購入者の公開対象拡大を容認する方針だ。

「政策活動費」見直しに自公でも溝

政策活動費見直しに関する各党の考え

 一方、政党から議員本人に支出される「政策活動費」については、公明が使途公開の義務づけを掲げているのに対し、自民は見直しに否定的だ。今後、焦点になる可能性がある。

 公明の山口那津男代表は2日、「補選で示された民意を重く、謙虚に受け止めた上で、透明性の強化に更なる一歩を進めていくべきだ」と話した。

 補選で3勝した立憲民主党の泉健太代表は「自民党が出した政治改革案では全くダメだ。出し直しをしていただきたい」と述べるなど攻勢を強めている。

 岸田文雄首相は今国会での法改正を公言しており、補選後には「自民党案を責任をもって取りまとめる」と強調した。自民内でも「まずは法改正について、自民党がきちっと全課題に対応することが必須だ」との意見が出ている。【高橋祐貴、野間口陽】

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