大型連休中の外国訪問日程を終え内外記者会見に臨む岸田文雄首相(4日、サンパウロ)=ロイター

岸田文雄首相は4日夜(日本時間5日午前)、ブラジル・サンパウロでの記者会見で、フランス、ブラジル、パラグアイの3カ国の訪問について「グローバルサウス(と呼ぶ新興・途上国)との連携強化で様々な成果を上げた」と強調した。6日に帰国する。

首相は一連の訪問で2点を意識したと表明した。①法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く姿勢②各国が抱える課題や事情に寄り添う日本ならではの対応――に力点を置いた。

グローバルサウスとの関係をめぐり、首相は2日、訪問先のパリで経済協力開発機構(OECD)と連携し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長を支援する枠組みの立ち上げを表明した。

4日の記者会見で「東南アジア諸国の成長発展に向けた伴走者となるよう、日本としての新しい取り組みを立ち上げることを確認した」と語った。

その後の南米の訪問には約50社の企業などが同行した。首相は「気候変動対策や農業、鉱物資源などの分野で約50件の協力文書が署名された」と成果を訴えた。

ブラジルのルラ大統領との首脳会談で、脱炭素に関する政策協調の枠組みをつくるなどの協力で合意した。南米で唯一、台湾と国交を持つパラグアイでペニャ大統領と会い、東アジアを含む国際情勢について意見交換した。

ブラジルはグローバルサウスの中心的な存在で、2024年の20カ国・地域(G20)で議長国を務める。首相は自身が議長を担った23年の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の成果を踏まえ、11月のG20リオサミットに向けて協力する意向を示した。

次の外交課題は19年以来開いていない日中韓首脳会談になる。首相は日程は固まっていないと指摘し「議長国の韓国の取り組みを支持しながら、開催に向け3カ国で調整を続けていきたい」と話した。

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