4月の衆院東京15区補欠選挙で特定の候補者陣営による「選挙妨害」が指摘された問題を巡り、日本維新の会は7日、規制を強化する公職選挙法改正案を発表した。与野党に協議を呼びかけ、今通常国会への提出を目指す。
維新の改正案は、公選法の「選挙の自由妨害罪」を適用する例として「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」や「著しく粗野または乱暴な言動」「多数の者による選挙事務所または居宅への押しかけ」を明記。罰則についても、現行の「4年以下の懲役または禁錮」から「5年以下」へ引き上げるとした。
現行法では具体的にどのような行為が選挙の自由妨害罪に当たるのか不明確で、罰則適用が困難だとの指摘があった。東京15区補選では、政治団体「つばさの党」の陣営が演説中の他の候補者に至近距離でやじを飛ばしたり、車のクラクションを鳴らしたりして警視庁から警告を受けたが、陣営は「表現の自由」などと反論し、同様の行為が警告後も続いたとされる。
維新の音喜多駿政調会長は記者団に「7月には東京都知事選がある。妨害行為に対応できる法改正を立法府の意思として示すことが重要だ」と語った。
これに関し自民党の梶山弘志幹事長代行は7日の記者会見で「仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説があるならば、罰則強化を含め今後の検討課題の一つになっていく」と語った。立憲民主党の岡田克也幹事長は7日の記者会見で「まず既存の法律で対応できないことなのか、見極める必要がある」とし、「できないということであれば法改正すべきだが、気を付けないと自由な活動をも制約することになりかねない。もろ刃の剣みたいなところがあるのでしっかり議論する必要がある」と述べた。【田中裕之】
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