福岡県議会は8日、県議16人が訪問した南アフリカやケニアなどの海外視察の内容をまとめた報告書を報道機関に公開した。県議会は海外視察の報告書を通常は公開していないが、2月定例会での議員派遣議決後にアラブ首長国連邦(UAE)の最大都市、ドバイの訪問を追加したため、公開する異例の措置を取った。
なぜドバイ追加?
報告書によると、参加したのは香原勝司議長と自民党県議団、民主県政県議団、新政会の3会派の代表ら計16人で、4月11~19日の6泊9日。県議会事務局の幹部職員ら5人が同行した。
2月定例会では、人や動物など生態系全体の健康を目指す「ワンヘルス」に関する国際会議誘致のため、南アフリカとケニアを視察するとしていた。報告書によると、4月12日にケニアのナイロビにある国連人間居住計画(UNハビタット)本部を訪問したが、週末の土日を挟んだため、新たな訪問先にドバイを追加。ドバイに2日間滞在した後、南アフリカに移動し、16日にケープタウンで開かれた世界獣医師会大会に参加した。
県議会事務局によると、UNハビタット本部訪問後はケニアでの宿泊を検討したが、外務省が不要不急の渡航自粛を求める「レベル2」の地域があり、安全面を考慮してドバイに移動。ドバイでは魚市場や都市交通システムなどを視察した。県議16人のうち、議長ら5人は公費、11人は政務活動費か自費で費用を捻出する予定。視察の総額は精査中としている。
県議会は議員の海外視察後の報告書の作成を義務づけておらず、県民などが内容を知りたい場合は、視察内容を同行した職員が議長に報告する「復命書」を開示請求する必要がある。
県議の海外視察を巡っては、服部誠太郎知事が4月23日の定例記者会見で「出張については事前に県民の皆さんにお知らせし、出張の成果については報告書をまとめ、公表することが重要だ」と述べていた。【城島勇人】
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