いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、玄海町の脇山町長は10日、「文献調査」の受け入れを表明しました。全国では3例目、原発が立地する自治体では初めてとなります。
【脇山伸太郎町長】
「これまでの町議会などの意見や議論、国からの要請を熟考した結果、文献調査を受け入れる決断にいたりました」
10日、文献調査の受け入れを表明した玄海町の脇山町長。文献調査をめぐっては議会が4月、町の3つの団体から出された調査の受け入れを求める請願を採択していました。
これを受け、国は玄海町に文献調査の実施を申し入れたほか、脇山町長と齋藤経済産業大臣が面会していて、町長の最終判断が注目されていました。
【リポート・桑鶴知幸】
「全員協議会に参加する議員が議会棟へ向かっていきます」
【リポート・川浪沙貴】
「役場と議会棟をつなぐ廊下には続々と報道陣が集まってきました。これから町長が文献調査を受け入れるかどうかの判断について議員に説明するとみられます」
玄海町議会は10日午前、非公開で全員協議会を開き、脇山町長が文献調査を受け入れることを議員に伝えたということです。
【賛成派 松本栄一議員】
「大変な決断したなと思っている。よく決断されて日本のエネルギー政策に対して町長がどれだけ真剣に向き合っているのかがわかった」
【反対派 前川和民議員】
「短い期間でこういう決断して町民もまだ十分に理解していないなかでの決断だったので、町長の判断ももう少し時間取ってもらったらよかったのではないかという考えは持っている」
脇山町長は、調査の受け入れを決めた理由について次のように説明しました。
【脇山伸太郎町長】
「特定の地域だけの問題でないと考えている。玄海町での取り組みが、日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論を喚起する一石となればとの思い」
また、町民に対しては…。
【脇山伸太郎町長】
「住民の皆さんにとっては心配あろうかと思いますが“なし崩し”的に最終処分場になることはないと考えている。お金目的で文献調査を受け入れをするものではない」
文献調査が行われれば、北海道の寿都町と、神恵内村に次いで全国3例目となり、原発が立地する自治体では初めてとなります。
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