14日に告示される東京都目黒区長選には、いずれも無所属で現職と新人計5人が立候補を表明している。6選を目指す現職区長に、多選による区政の硬直化などを指摘する新人が挑む構図。新人2人は都議会議員、1人は区長選出馬のために辞職した目黒区議の元職で、政治経験のある4者を中心に21日の投開票まで激戦が展開されそうだ。(中村真暁)

街頭演説する立候補予定者

 立候補を予定しているのは、6選を目指す現職青木英二さん(69)と都議の伊藤悠さん(47)=国民民主、都民ファーストの会推薦、元区議の河野陽子さん(61)=自民推薦、IT企業社員の滝下隆行さん(41)、都議の西崎翔(つばさ)さん(40)=立憲民主推薦。区選挙管理委員会によると、区長選で候補者が5人になれば、記録を公表している1975年以降で最多という。  「5期20年は長すぎる。区政は何よりも安全第一で、新しい政策に手を付けられずにいる」。4月上旬の休日。新人の候補予定者がマイクを握り、目黒駅前を行き交う人々に呼びかけていた。

目黒区長選に向けてマイクを握る立候補予定者

 都議や元区議ら地方政治家の新人3人はいずれも、2004年から続く青木区政を「変わらない区政」「指示待ち、命令待ち、横並び」などと評する。これに対し6選を目指す青木さんは「毎回の選挙で区民に信託を積み重ねた結果だ。区政の安定や安全安心は重大な課題」と主張する。  一方で、いずれも目黒を地盤に、政治家としての実績を重ねてきた3新人にとっては、新人同士の間でどう独自色を出すかが課題のようだ。伊藤さんは小池百合子東京都知事が特別顧問を務める都民ファ都議としての実績を、河野さんは唯一の女性候補であることを、西崎さんは国政や都政も含めた政治の現状への批判を、それぞれ際立たせている。  有権者は政治家4人による今回の選挙戦をどう見るか。男性(63)は「現状を変えられる人を選びたいが、新人にあまり違いが見えない」と頭を悩ませ、女性(85)は「政治家は自身の党派に流されがちで不安。自分のビジョンをしっかりと持った人になってもらいたい」と切望した。

区長選の懸垂幕が掲げられた目黒区役所

 区長選と併せて行われる区議補選(被選挙数1)には、6人が立候補を準備している。3月1日現在の選挙人名簿登録者数は23万4762人となっている。 

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