東京都杉並区が中心となり、災害時の相互援助協定を結ぶ9区市町村でつくる「自治体スクラム支援会議」は11日、国の指示権を拡大する内容で国会審議中の地方自治法改正案に対し、国に運用に当たって十分な配慮を求める声明を発表した。後日、総務省に提出する予定。

◆「コロナ禍や災害で自治体は迅速で的確な対応をした」

杉並区役所(資料写真)

 参加自治体は、同区と北海道名寄(なよろ)市、福島県南相馬市、北塩原村、新潟県小千谷(おぢや)市、群馬県東吾妻町、山梨県忍野(おしの)村、静岡県南伊豆町、東京都青梅市。2011年の東日本大震災を機に、杉並区が協定を結ぶ自治体に声をかけ、国に先んじた被災地支援に連携して取り組んできた。  改正案では、緊急時に国民の生命の保護に必要な対策を、国が自治体に指示できるようにする内容が盛り込まれ、国と地方の対等な関係が損なわれるといった懸念が指摘されている。  声明では、新型コロナウイルス禍や能登半島地震で自治体が迅速で的確に対応したとして「こうした成果への配慮が必要」と指摘。国に対し、指示の前に自治体と十分な協議・調整をして現場の実情を踏まえた措置にすることや、必要な最低限度の指示とするため運用基準の明確化を図ることの2点を求めた。  声明は、参加自治体が集まり、10〜11日に東吾妻町で開かれた「第9回地方創生・交流自治体連携フォーラム」でまとめた。(奥野斐) 

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