人気が高いとされてきた沖縄県職員の試験に合格しながら内定を辞退する人が増えている。2019年度の辞退者は37人(辞退率22・0%)だったが、23年度は67人(28・3%)になった。県関係職員連合労働組合(県職連合)は「業務量の多さを敬遠したり、遠方への異動の少ない市町村に就職したり、求職者の希望が多様化している」とみている。(政経部・國吉匠)
県人事課によると、23年度の辞退者は市町村など他の公共機関との併願が多く、民間は少ないという。
合格者数と辞退者数は、それぞれ年度途中の数も含む。大卒程度の行政事務職に当たる試験区分「行政1」や技術職の農業土木、保健師などの職種がある。
県職連合の担当者は「ここ数年で新型コロナ禍や豚熱、軽石問題など、災害級の事案で業務量が増えた」と説明。県議会の通告質問数も他県に比べて3倍に上るとし「大量の業務負担が辞退率上昇の一因になっている」と話す。市町村と違って窓口業務が少なく、県民と直接関わる機会が少ないこともあるようだ。
辞退者数だけでなく、合格者数も増えている。19年度の合格者数は168人だったが、23年度は69人増の237人。直近5年間では22年度が最も多く、269人だった。
人事課の担当者は、一定の辞退者を見込んで採用数を増やしているわけではないとし「多様化する行政サービスに対応するため、こども未来部の新設や各部局の主管課の機能強化に取り組んだことが影響している。沖縄の発展のために貢献したいという人材が多く集まるように魅力を発信したい」と述べた。
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