公職選挙法違反の罪に問われた田尻 善裕 被告が熊本市議の職を失いました。
最高裁は上告棄却に対する田尻被告の異義申し立てを棄却、有罪判決が確定しました。
熊本市は、田尻被告に支払った議員報酬など約1300万円の返還請求を行う方針です。
去年4月の熊本市議選で当選した田尻 善裕 被告は立候補届け出前の3月、出身高校同窓会の案内に自身への投票を呼びかける違法な文書を同封し発送するなどした罪に問われていました。
田尻被告側は無罪を主張しましたが、一審、二審はともに罰金30万円の有罪判決を下し、さらに最高裁は被告側の上告を棄却。
被告側は異議申し立てを行っていましたが、最高裁は5月10日付で異議申し立てを棄却しました。
これにより、公民権が5年間停止される有罪が確定、当選無効となり失職しました。
田尻被告はSNSで「裁判の結果は出ましたが、納得しておりません」とコメントしています。
田尻被告の失職を受け熊本市議会の寺本 義勝 議長は「市民の皆さまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くおわびします」とコメントを発表しました。
また、14日の会見で熊本市の大西市長は、田尻被告に対し議員報酬などの返還請求を行う方針を示しました。
【大西 市長】
「判例に従って考えますと、本市がこれまでに支払った報酬について費用の返還義務が生じると考えられ、費用総額としては1300万円ほど」
市によりますと、田尻被告は「当選無効」となるため任期スタートの去年5月からこれまでの議員報酬、政務活動費など合わせて約1300万円を返還する義務が生じるということです。
市は最高裁からの通知が届き次第、田尻被告に返還請求を行う方針です。
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