大阪府議会(定数79、欠員1)の新たな副議長に第3会派の自民党の府議が就任する見通しとなった。議会の過半数を占める地域政党・大阪維新の会が、2025年開催の大阪・関西万博の問題を追及する第2会派の公明党からの就任に難色を示していた。公明は当初擁立を検討したが、最終的に見送ったという。

 府議会の主な会派構成は、維新52人、公明14人、自民7人などとなっている。副議長は第2会派から選ばれるのが慣例。第2会派の公明は22年から副議長を出してきた。

 しかし、維新が次期衆院選で公明の現職候補がいる府内4小選挙区に対抗馬を立てる方針を決め、両党の関係は悪化。万博をめぐっても、会場建設の遅れや開催経費の増額などの問題に公明が議会で追及を強めたことで対立が深まっていた。

 維新内部からは「公明はあら探しばかりだ」(府議団幹部)などといらだちを募らせる声が出ており、副議長ポストを公明に譲ることに反対意見が出ていた。

 複数の関係者によると、副議長ポストをめぐって維新側が今月、公明側に「副議長は地元の代表として万博の開催時にはテープカットにも立ち合う。今までのような態度では難しい」などと伝達。公明側は、「今までどおり言うべきことは言う」と返答したという。

 公明幹部は、副議長を自民に譲ったことに、次期衆院選などで自公連携が重要なため「協力して頑張ろうというメッセージ」と説明している。

 新議長には維新の中谷恭典氏、副議長に自民の中井源樹氏が就く見通し。20日の府議会臨時会で正式決定する。(野平悠一、箱谷真司)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。