全国町村議会議長会は22日、札幌市内で都道府県会長会を開き、議員報酬の適正化を促進するための決議を採択した。渡部孝樹会長(北海道厚真町議会議長)は冒頭のあいさつで「昨年の統一地方選挙で議員の無投票当選や定数割れの議会が増加するなど、改めて町村議会議員のなり手不足問題が浮き彫りになった。全国の町村議会が軌を一にして取り組んでいかなければいけない」と呼びかけた。
全国町村議会議長会によると、町村議の報酬月額は全国平均で約21万7000円。県議(約81万3000円)、市議(約40万8000円)などに比べて、報酬の低さが目立つ。
議員報酬の低さの背景となっているのは、「昭和53年(1978年)標準」といわれる算定基準だ。「報酬は町村長の給料月額の約30%」とされている。
全国町村議会議長会は、地方分権改革によって議員の活動量が増加していることなどを挙げ、実態にそぐわない「昭和53年標準」を廃止し、活動内容や活動量を踏まえた「原価方式」などで報酬が支払われるべきだと主張。今後、採択された決議をもとに、地方自治法の法改正や財政措置の充実などの環境整備を国に要望するとした。
渡部会長は「議員のなり手不足の大きな要因の一つに低額な議員報酬がある。全国926町村がそれぞれの地域を大切に思い、明るい未来を切り開いていけるように全力で取り組みたい」と話した。
議員報酬に関する決議のほか、能登半島地震からの復旧・復興に関する決議も採択された。【金将来】
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