政治資金規正法改正案を巡り質疑を行った衆院政治改革特別委員会=国会内で2024年5月24日午前9時16分、平田明浩撮影

 自民、公明両党は政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、政党から議員に支出され、使途公開が不要な「政策活動費」について、自民案を修正し、議員が使った日付を政治資金収支報告書に記載する調整に入った。政治資金パーティー券購入者の公開基準額は改正案の施行から3年後にさらに再検討する案が浮上している。いずれも法案の付則に明記する。

 関係者が24日明らかにした。規正法改正を巡り、自公は与党案に大枠で合意したが、パーティー券購入者の公開基準額と、政策活動費の使途公開の条文化で折り合いが付かず、自民が17日に改正案を単独で提出した。しかし、自民は参院で単独過半数の議席を有しておらず、野党の改正案とも隔たりがある。このため、成立には公明に譲歩して、協力を得ることが必要とみられていた。自公が合意すれば、衆院政治改革特別委員会で審議中の自民の改正案を修正する。

 政策活動費について、公明側は明細書の作成義務化を掲げた一方、自民の改正案では、政党からの支出が1件あたり50万円を超える場合、大まかな項目を党の収支報告書に記載するとしていた。自民は、政策活動費を使った日付を追加することで、詳細な使途公開を求める公明と合意したい考えだ。

 自民が「10万円超」を、公明が「5万円超」を主張していたパーティー券購入者の公開基準額については、現行の「20万円超」を引き下げる方針では一致。このため、3年後に公開基準を決める方向で調整する。

 自民の改正案は22日、立憲民主党と国民民主党の共同案などとともに衆院政治改革特別委員会で審議入りした。特別委は24日、各党による2日目の質疑を行い、与野党は政治資金収支報告書のデータベース化を進める方針を確認した。岸田文雄首相は今国会での成立を目指しており、自民は月内に衆院を通過させたい考え。【高橋祐貴、野間口陽】

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