また、岸田首相が党紀委員会の処分対象にならなかったことについて、「党と党紀委員会でまとめたものは一つの理屈にはなる」としつつ、「(岸田首相の)政治的な責任は、何かした方がいいんじゃないかということは、チラッと申し上げたりしている」と述べた。
FNNプライムオンライン「日曜報道 THE PRIME」(運営:フジテレビ)の提供記事です一方、立憲民主党の小川淳也議員は、離党勧告処分に反発している安倍派の塩谷立・元文科相について、「二重三重に晩節を汚した」と批判する一方、「この問題の形式上の最大の責任者は岸田首相だ」と指摘した。
さらに、番組コメンテーターの橋下徹氏は、「民間で組織がこれだけの不祥事を起こして、トップが辞めないなんていう企業はあるのか」と指摘し、「岸田首相は自民党総裁を辞めるべきだと思う」と厳しく批判した。
(写真:FNNプライムオンライン)塩谷氏・世耕氏に「離党勧告」
以下、番組での主なやり取り。
梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):議員にとって(離党して)無所属で選挙を戦うということはどれほど大変なものなのか。
片山さつき氏(自民党・政調会長代理):衆議院の場合、比例復活が全くないっていうのは、今の制度ではそれで議席を得ている人も多いし、塩谷氏は前回もそうだったが、年齢制限が自民党にあるので、全くこういう一連の事件がなくても、塩谷氏は次の選挙は選挙区で絶対勝たなきゃダメだっていうことで、私も浜松に地盤を持っていて支援者も重なっているので、そういう危機感で、実はかなり結束していたが、この状況になると遠州(えんしゅう)の方々は、ものすごくはっきりものを言う。もう選挙に落ちたら、「もうあんた終わっているのでは?」とか言われて。
ただ、必死に頑張って、地べたを這うようにすると温かい言葉をかけてもらうこともあり、そこがはっきりした県民性、住民性でもあるので、これからどういう風にするか(塩谷氏は)多分悩まれるところだと思うが、あの地域からなられた方、ご苦労されてなられた方で、とてもその人情味のある議員、優しい議員なので。塩谷氏にとっていい(結果になる)ように、というふうに思う人は多いと思う。それが、晩節を汚さないでほしいっていうことになると、(支援者のほうも)厳しい言い方にもなっちゃうのかなと思う。
松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):自民党では過去にも離党勧告が党紀委員会から出されて、結果としてその後に復党したという議員も多数いるが。
片山氏:まさに郵政民営化の時がそうだった。私は郵政選挙の「刺客」で行って相手に勝ったが、その後、何年かして戻ってきた方は復党している人が多いし、最近のコロナ禍での外出の方(いわゆる銀座3兄弟)もそうなので。ただ、その前提としてやっぱり選挙で勝っていないと残ってないので、その過程は大変つらいものになるが、今回のこの状況はまた新しい状況なので、今までとちょっと要因が違う。
松山キャスター:この一連の裏金問題の中で一番厳しい措置がこの離党勧告の2人になるが、結果として自民党の過去の例のように、また復党するという可能性もある中で、この判断をどう見るか。
小川淳也氏(立憲民主党・前政調会長):私は率直に、再チャレンジの環境が政界にあっていいとは思っている。ただ、そのためにも自ら潔く腹を切って、出処進退を明らかにするということが必要だっただろうし、その意味では、二重三重に塩谷氏は晩節を汚したと言わざるを得ないと思う。なので、形式上、塩谷氏は派閥の座長、世耕氏は参議院の責任者だったということになるが、最大の形式上の責任は岸田首相になるので。宏池会(岸田派)のトップであり、党の総裁でもある。いま非常に自民党内に不満が充満してるのが伝わってくるが、自民党の統治能力そのものが崩壊しているのではないかというふうに私は受け止めている。
(写真:FNNプライムオンライン)裏金問題、岸田首相に処分なしに対して
松山キャスター:塩谷氏は岸田首相に対しても、総理・総裁としての責任があると、道義的・政治的に責任があるという言い方をした。自民党内にも岸田首相自身が責任を取るべきなんじゃないかという声はあったようだが、このあたりは?
橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):それは当然のことだと思う。民間企業で、組織がこれだけの不祥事を起こして、トップが辞めないなんていう民間企業はあるのか。岸田首相が責任取らないということになれば、今後、日本において民間企業が不祥事を起こした時に行政として指導できない。だから、僕はもうこれは岸田首相が責任何もなしなんていうのはもう信じられない。
というのは、どうも自民党のこの議論の中で、岸田首相は自分の派閥じゃないからとか言うが、派閥というのは自民党の内部のグループの話であって、自民党は160億円の政党交付金が出ている。160億円、しかも税金を払わないお金がそのまま行く。その組織において、このような不祥事が起きた時にトップが責任を取らない。僕はもう、(岸田首相は)総裁を辞めるべきだと思うが、トップが何も責任はないなんて、160億円を受ける資格ないと思う。
片山氏:まず、政党を法律で位置づけた上に、今回政党の中にミニ集団(=派閥)があったわけだが、これは、こうなってみてわかったが、無理なこと。あそこ(派閥)で人とあれだけの金を扱うってことは。だから、(派閥は)解散にどんどんなっていくが、(党総裁は)代表取締役社長なので、その企業で言えば。それは今回いろいろなルールを作って、金額の問題とか、あるいは、運営における責任の度合い。座長だったとか事務総長だったとか。それを縦糸や横糸でそれなりのルールを作っている、茂木幹事長の説明のように。
ただ、それが国民にストンと落ちるかというとそれは違うので、党と党紀委員会でまとめたあれは一つの理屈にはなる。私も党の執行部の一人なので、そういうことにしても政治的な責任は、何かした方がいいんじゃないかということは、チラッと申し上げたりしている。
早期の解散総選挙はあり得るか
梅津キャスター:(番組内の視聴者投票の結果について)裏金問題、岸田首相に処分なしに対し、処分を受けるべき87%、受ける必要がないが9%、どちらとも言えないが4%の結果になった。
松山キャスター:自民党の党紀委員会の結果はすでに出ているが、岸田首相に責任を求める声がこれだけあることをどう受け止めるか。
片山氏:(岸田首相の責任を求める声について)いずれにしても、政倫審への出席も自身で制止を振り切って決めたので、多分、政治刷新車座対話を連日やって厳しい声を感じたら、党紀委員会の決まった規則とは別の次元で何らかのことをするのではないかなと思っている。その選択肢の中には、当然、首相には解散する権利もあるし総辞職する権利もあるわけだから、憲政の常道として様々な選択肢があるのだろう。これについては党内では、いろんな意見があるのだろうが、それは当然政治家の決断、内閣総理大臣、与党総裁の決断というのはあると思う。
松山キャスター:(処分に関し)岸田首相は最終的には国民や党員の皆さんに判断いただく立場になると言っていたが、これはいざとなったら早期の解散総選挙も考えているというふうに受け止めたか。
片山氏:私はそうなんだろうなと思った。私たちも時々官邸に報告に行くが、その覚悟でずっといろいろな政策を組み立てているように感じるので、今一つひとつのことをそのために積み上げているのかなと思う。
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