【最新のエルニーニョ監視速報は】
気象庁が10日発表した最新のエルニーニョ監視速報によりますと、2023年春から続いていたエルニーニョ現象は、2024年5月までに終息したとみられます。
また、秋にかけては平常の状態が続く可能性がありますが、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い、とのことです。

【エルニーニョ現象・ラニーニャ現象とは】
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道領域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が基準値より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象とは逆に、海面水温が基準値より低くなった時のことを言います。
発生する確率をグラフを見ますと、夏のうちは平常である確率が高いですが、秋になるとラニーニャ現象が発生する確率の方が高くなる見込みです。


【2024年夏の天候は?ポイントはインド洋熱帯域の高温?】
エルニーニョ現象によって、インド洋熱帯域の海面水温が高くなっています。この領域の海面水温は、エルニーニョ現象が終息した後も、しばらくの間は高い状態が維持される傾向があります。
2024年の夏(6~8月)に予想される海洋と大気の特徴によりますと、今年の夏は、インド洋熱帯域の西部を中心に海面水温が高く、積乱雲が多く発生するなどの影響で、日本の南で太平洋高気圧が普段より西に広がりやすいと見られています。
このため、西日本と沖縄・奄美を中心に、高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が流れ込みやすくなると考えられています。


エルニーニョ現象が終息し、このまま平常の状態が保たれれば、東北地方を含む北日本では、雨の量が多くなるとともに、日照時間が少なくなる傾向があります。
また、夏のうちにラニーニャ現象が起きれば、北日本の太平洋側で平均気温が高く、日照時間が長くなることも考えられます。
今後、ラニーニャ現象の発生の有無により、天候の予測情報が大きく変わる可能性もあります。

2024年の夏も、猛暑と大雨の両方への備えを進めておく必要がありそうです。

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