輪島市河井町の楠健二さん(56)は、能登半島地震の際、居酒屋を兼ねた自宅の隣にあった7階建てのビルが倒壊し、妻の由香利さん(48)と長女の珠蘭さん(19)を亡くしました。

地震から半年がたとうとしていますが再建の見通しは立たず、かつて夫婦で居酒屋を営んでいた川崎市で10日新たに店を開きました。

店名は輪島の店と同じ「わじまんま」で、地元の人などが開店前から列を作り、午後5時半に営業が始まると次々に入っていきました。

魚や日本酒は能登半島から取り寄せていて、倒壊した店のあとから見つけ出した鉄板やお皿を使っているほか、地震で止まってしまった時計なども飾っています。

訪れた人たちは、カサゴやヒラメなどに舌鼓を打っていました。

東京 八王子市からきた60代の男性は「能登にはボランティアで行ったことがあり、応援したいという気持ちで来ました」と話していました。

6年前に楠さんが家族で川崎から輪島に移って店を始めたのも10日と同じ6月10日だったということです。

楠さんは「店にいるときだけは気持ちを切り替えて頑張っていけます。お客さんにはお店を通じて輪島のことを知ってもらい、少しでも復興の手助けをできたらと思っています。できるならまた輪島で店をやりたいです」と話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。