都内で開かれたセミナーには、全国の市長と区長など、130人余りが参加し、ことし1月の能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市と珠洲市の市長が講演しました。

このなかで、輪島市の坂口茂市長は
▽避難所の建物が被害を受け、市役所や病院、消防署に避難者が押し寄せたことで、防災拠点としての機能が低下したうえ
▽携帯電話が通じない地域が多く、職員間で連絡が取れなかったことや
▽トイレが汚れて感染症がまん延したり、簡易トイレの使い方が分からない高齢者が多かったりしたなどと報告しました。

災害の教訓として坂口市長は「過去に起きた震度6強の地震の経験をへて対応したつもりだったが、トイレなどの備蓄や道路などインフラの強じん化を進めておくべきだったし、役所に衛星電話をもっと配備しておくべきだった」と話していました。

また、珠洲市の泉谷満寿裕市長は、地震直後の対応を振り返り、
▽石川県知事に電話して、自衛隊やヘリコプターの派遣を要請をするとともに、病院が機能しているか確認したことや
▽地震後、すぐに市役所に参集できた職員は、市長含め10人余りだったことなどを紹介しました。

そのうえで、泉谷市長は「地震は起きてみないと規模もわかりません。市民が何を必要としているのか聞き取るのも大事ですが、先行して推測していくことが、より大事です」と心構えを共有していました。

セミナーに参加した埼玉県草加市の山川百合子市長は「簡易トイレの使い方がわからないとか、衛生管理が難しいという話を聞いて、避難所での役割分担など、丁寧なシミュレーションが必要だと思いました」と話していました。

また、南海トラフ巨大地震の揺れや津波が想定されている三重県伊勢市の鈴木健一市長は「災害がいつ起こるのかわからない、災害規模が読めないなかで、最悪の想定をして、これまで以上に災害の備えを進めたい」と話していました。

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