輪島市に住み、介護の仕事についていた澤田慎一郎さん(50)は自宅の倒壊を免れたものの、隣の家が傾いて倒壊する危険があり、自宅を出て行かざるをえなくなりました。
自宅自体の「り災証明」は「一部損壊」扱いのため、すぐには仮設住宅にも入れません。
澤田さんはいま、中学生の長男と県南部の加賀市の旅館に2次避難しています。
一方、輪島市役所で働く妻の聖子さんは、輪島の小学校に通う2人の娘と2歳の次男との4人で市内の避難所に残りました。
能登半島地震直後の1月から離れ離れの生活が続いています。
澤田さんは今月10日、加賀市から輪島の避難所を訪れ、長女の彩愛ちゃんの10歳の誕生日を家族で祝いました。
澤田さんは「久しぶりに家族がそろって大きな幸せを感じました。子どもたちのことを考えると輪島を離れて家族で一緒に暮らすことも考えています」と話していました。
澤田さんは県外に引っ越して6人一緒の新しい生活をスタートさせることも考える一方で、ふるさとへの思いも強く残っています。
今月、澤田さんは輪島でボランティア活動に参加し、仮設住宅の家財道具の搬入や娘たちの小学校のプール掃除を行いました。
長年、親しんできた輪島の景色や人の優しさにふれ、ふるさとを離れる決心に心が揺らいでいます。
澤田さんは「生まれも育ちも輪島でふるさとを離れたくないという気持ちは強いんですが、そろそろ決断をしなければならないと思っています」と話していました。
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