輪島市の洋菓子店「くまのおうち」は地震でオーブンが壊れたほか、従業員が避難して人手不足になりながらも菓子づくりを続けています。

店では地震で厳しい生活が続く中でも家族で父の日を祝い、楽しく過ごしてもらいたいと、コーヒーゼリーにカフェオレのムースでさまざまな父親の顔を描いた「お父さんカフェゼリー」を売り出しています。

ゼリーは人気を集め、朝9時の開店と同時に仮設住宅や避難所に住む人たちなど、客が次々と訪れて買い求めていました。

輪島市で被災し、金沢市のホテルに避難している20代の男性は「昔からこの店に通っていました。久しぶりに地元に帰り父と一緒にゼリーを食べながら話します」と話していました。

また、輪島市の20代の消防士は「地震が発生した時は火災や救助の対応で家に帰れませんでした。きょうは照れくさいですが、お父さんに直接会って『いつもありがとう』と伝えたいです」と話していました。

店主の古川まゆみさんは「毎年の日常とは全く違う状況になってしまいましたが、いつもと変わらないものを味わってもらいたいと思いました。ゼリーを食べてほっこりと幸せな気持ちになってほしいです」と話していました。

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