気象庁によりますと、日本海から北日本にのびる梅雨前線や前線上の低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、東北から九州にかけての広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。
中国地方で雨が強まっていて、山口県の下関市菊川付近では、レーダーによる解析で午前1時までの1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、また、下関市下関付近ではレーダーによる解析で午前1時半までの1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。
災害が発生する危険が迫っていることから、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表しました。
山口県と福岡県、島根県、新潟県では、これまでに降った雨で土砂災害の危険性が非常に高くなり土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
また、山口県を流れる仁保川では氾濫の危険性が非常に高まり、「氾濫危険情報」が発表されていて、ほかにも山口県と山形県では氾濫危険水位を超えている川があります。
このあと低気圧が東北を通過し、前線はしだいに南下するため、東北から九州では大気の不安定な状態が続き、雷を伴って断続的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。
11日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州北部と東海で180ミリ、
▽中国地方と東北で150ミリ、
▽北陸と新潟県、近畿で120ミリと予想されています。
また、12日夕方までの24時間には、九州北部で100ミリの雨が降る見込みです。
東北や北陸、中国地方では、これまでの大雨で、土砂災害や洪水の危険度が高くなっているところがあります。
気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうに注意し発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は頑丈な建物の中に移動するなど安全を確保するよう呼びかけています。
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