日本では15歳未満の子どもの数より多いもの。何だと思いますか?犬・猫などのペットです。ペットを連れて、街なかでは、まだ日が昇らない早朝から散歩をする人の姿があります。

▽飼い主
「地面がすごく熱いので地面がなるべく冷たい時を選ぶようにしている」
「早く家を出て、日が昇らないうちに帰ってきたい」

ペットにとって、散歩はストレスの発散や運動不足の解消など、重要な意味がありますが、今の時期、そのタイミングを間違えると命を落としかねません。

▽琉球動物医療センター・周本剛大院長
「非常に危険ですね日中の散歩は。特にワンちゃんの場合は体温調節機能は人に比べて劣っていて、そもそも毛皮を着ている。人間みたいに脱ぎ着で調節できず、暑さに非常に弱いです」

犬や猫は、汗が出る分泌腺が足の裏や鼻の付近など一部にしかなく、人間のように汗をかくことができません。

犬は口を大きく開けて体温を調整しようとするものの、十分に熱を発散できず、熱中症になる危険性が高いとされています。

犬の肉球

▽琉球動物医療センター・周本剛大院長
「パンティングといって常に「はぁはぁ」しているのが日常的にみられるので、それと熱中症の症状が似ているので分かりづらくい。飼い主も気付かないうちに重症化しているときがある」

“激しいパンティング”のほかに、ぐったりした様子やふらふらするなどの初期症状から始まり、重篤化すると、けいれんや意識障害。加えて嘔吐や下痢、歯ぐきが白くなるなどの症状が表れ、命に関わるおそれがあります。

万が一熱中症になった場合、命を取り留めても、重症化してしまうと後遺症が残るケースも少なくありません。

そうした悲劇を防ぐためには、濡らしたタオルで全身を包んで冷やしたり、水をかける、保冷剤で首やわきの下を冷やすなどの応急処置が必要です。

「我々はその状態にならないようにするために、早期の治療介入。点滴をすることと、冷やすことが重要になってくる」

屋内での熱中症のリスクがあるのも、犬と人は同じです。周本医師は、日中、家を留守にする際にはカーテンをした上でエアコンをつけて部屋を涼しく保つほか、屋外の場合は、西日など直射日光が当たらない、風通しのいい場所で芝や土の上などで飼育し、暑さが厳しい日には玄関に入れるなどの対応を取ってほしいと話します。

▽琉球動物医療センター・周本剛大院長
「飼い主の行動が動物の命を守る事は間違いないので、そこを認識して行動してもらうことが重要」

▽飼い主
「この子たちは僕たち人間がいないとだめですので本当に、しっかり管理するのは飼い主の責任。家族の一員ですので、コントロールしながら(猛暑でも)ストレスも発散させてあげたいですね」

散歩の時間は今の時期だと朝7時まで、夜は8時以降がいいとされています。この猛暑を乗りこえ、大切な家族の命と健康を守る適切な対応が求められています。(島袋剛)

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