NHKが山形県と秋田県の警察などを取材したところ、大雨の影響でこれまでに山形県で1人、秋田県で1人の合わせて2人が亡くなり、山形県で2人、秋田県で1人の合わせて3人の行方が分からなくなっています。

このうち、山形県新庄市の橋の近くでは今月25日、パトカーで救助に向かっていた警察官2人が流され行方不明となり、付近の田んぼで服装などが似ている男性が見つかりましたが死亡し、27日、巡査長だった玉谷凌太さん(26)と確認されました。

警察は行方が分かっていない20代の男性巡査部長の捜索を続けています。

また、秋田市では、雨が降り始めたあと出かけたまま行方不明になっていた86歳の男性が、26日雄物川の中から遺体で見つかりました。

警察は、増水した川に転落した可能性があると見ています。

このほか、山形県酒田市は記録的な大雨のあと、高齢の女性1人が行方不明になっていると、27日発表しました。

酒田市によりますと、行方不明になっているのは荒瀬川の氾濫などで大きな被害が出ている大沢地区に住む86歳の女性で、きのう、おなじ地区の住民から「行方がわからなくなっている女性がいる」という連絡がありました。

警察や自衛隊などが、捜索を行っています。

また、今月25日には秋田県湯沢市の道路工事の現場で土砂崩れが発生し、作業をしていた60代の男性1人が巻き込まれ、行方がわからなくなっています。

亡くなった警察官の元上司「非常に真面目な性格」

山形県警察本部によりますと、亡くなった新庄警察署の警察官、玉谷凌太さん(26)は2017年に任官し、酒田警察署での勤務を経て、ことし4月から新庄警察署に配属され、真室川駐在所で勤務していました。

記録的大雨となった今月25日はパトロールをしていて、午後11時23分ごろに救助を求める通報があったことから、今も行方不明となっている巡査部長とともに、パトカーで出動していたということです。

それからおよそ20分後の午後11時43分ごろ、玉谷さん本人から「パトカーごと流されている」と通報があり、通報を受けた警察官との間でおよそ45秒間の通話がありましたが、周囲の音が大きく、確認できたのはこのことばだけだったということです。

さらに、玉谷さんの通報からおよそ30分後には、行方不明となっている巡査部長からも通報があり、「パトカーから出たが流されている」という内容でした。

そして、26日の午後になって、玉谷さんはパトカーから西に400メートルほどの場所で発見されました。

26日の午前1時ごろに亡くなったとみられるということです。

玉谷さんの以前の上司はその人となりについて、「非常に真面目な性格で、地域住民のために積極的に職務にあたっていて、職場の同僚の中ではリーダー的存在だった」と話しているということです。

浸水被害 山形800棟余 秋田で160棟余

記録的な大雨の影響で、浸水の被害を受けた住宅は、これまでに山形県で800棟余り、秋田県では160棟余りとなっていて、各自治体ではさらに被害が増えるおそれがあるとして確認を進めています。

山形県内の各自治体によりますと住宅の浸水被害は27日午後4時時点で
▽遊佐町でおよそ350棟
▽戸沢村で少なくとも300棟
▽酒田市で41棟
▽新庄市で33棟などと
合わせて17の市町村で、800棟余り確認されています。

秋田県によりますと県内の住宅では北秋田市で土砂が崩れて1棟が半壊したほか、1棟が一部壊れる被害が出たということです。

また、住宅の浸水被害は
▽由利本荘市などで床上浸水が50棟
▽横手市などで床下浸水が114棟の
合わせて164棟、確認されているということです。

山形県と秋田県の各自治体では被害の全容を確認できていないところもあり、引き続き確認を進めています。

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